ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉
「あの、先輩方、星名くんを見ませんでしたか?」
三滝先輩と夏目先輩に聞いてみると、二人は同じように首をかしげた。
「あれ? そういえばいないね? さっきまでいたと思ったけど?」
「そうですか……」
私は立ち上がると、多目的教室を出る。
星名くん、どこに行ってるんだろう?
天文部は星を見る部活動だよね? まだ夕方だから星は見えないと思うけど、外にいるのかな?
私はゆっくりと歩き出す。
廊下を歩いていると、吹奏楽部の合奏の音や、合唱部の歌声、グラウンドから響く運動部の声援など、いろんな音がしてにぎやかだった。
ときめき部の多目的教室だけじゃなくて、どうやらこの学院自体がにぎやかな音に包まれているみたい。
部活動が盛んな学校ってすごいなぁ。
そんなことを思いながら、私は中庭の温室までやってくる。
なんだかついつい、ここに寄っちゃうんだよね。
お花がきれいに咲いていて、見ているだけで元気が出るからかな?
透明な壁に包まれている建物の中に足を踏み入れると、そこには今日も野田先生がいた。
お花の手入れをしているみたい。
野田先生は私に気がつくと、穏やかに微笑んだ。
「こんにちは、咲森さん」
「こ、こんにちは!」
野田先生の手元をのぞくと、大きなプランターとポット苗。
ポットに植えられた植物が、少しきゅうくつそうに空に伸びていた。
「今ね、この苗を大きめのプランターに移していたところなんです。このポットではもう小さくなってしまったからね」
「元気に育つためには、大きな家でのびのびとすごしてほしいからね」と野田先生は植物を優しく手で包みこむと、プランターへとお引越しさせる。
ほえー、と見つめていた私に、野田先生がシャベルの持ち手を向けてきた。
「咲森さんもやってみる?」
「え、いいんですか?」
「もちろん」
私は野田先生に見守られながら、苗のお引越し作業を手伝った。
新しいプランターに移動した植物たちは、さっきよりも生き生きとしていて、嬉しそうに見える。
「手伝ってくれてありがとうね」
「い、いえ! とっても、楽しかったです!」
「それはよかった」
「またいつでもおいで」と言う野田先生に見送られて、私は温室をあとにした。
なんだか楽しかったな。
心がお日様を浴びたみたいに、ぽかぽかした。