ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉

8、ある日の晩ご飯にて


 写真部での体験入部が終わった、金曜日の夜。
 私は食堂で晩ご飯を食べていた。

 この時間の食堂は部活が終わった生徒たちであふれていて、今日もにぎやかだった。
 今日の私の晩ご飯は、ミートソーススパゲティ。

 家でよく食べたなぁと思いながら、今日の写真部での活動を思い返していた。
 そんな私の目の前に、もりもりの唐揚げ定食が置かれる。


「ここ、座ってもいい?」
「星名くん! どうぞ」


 そこにはいつものように穏やかな笑顔を浮かべた星名くんの姿が。

 入学式前に仲良くなった星名くんとは、同じクラス、同じときめき部ということもあって、よく一緒にいることが多かった。
 星名くんはだれにでも優しいから、あっという間にクラスの人気者になった。
 女子からの人気も高くて、私がいつも一緒にいる理由をよく聞かれるんだ。
 同じ部活なんだって言うと、みんなそろっていいな~って言う。

 それくらい星名くんは人気者。


「写真部、どうだった?」
 「いただきます」と手を合わせた星名くんは、私に尋ねる。


「すっごく楽しかったよ! 千景先輩も優しくてカメラのいろんなことを教えてくれたよ」


 私の言葉に、星名くんは少し驚いたみたいだった。


「えっと……、三滝先輩、少し軽いイメージがあったんだけど、大丈夫だった?」
「うん! 大丈夫!」


 たしかにすぐにかわいいって言ってくれたり、ちょっと軽いところもあったけれど、千景先輩がカメラが好きで、写真に本気で向き合っているんだってことは、すっごく伝わった。
 星名くんはほっと胸をなでおろしたみたいに、「それならよかった」と言って笑った。


「それにしても三滝先輩、本当にじゃんけん強かったなぁ。俺なんてすぐに負けちゃって、咲森さんの体験入部は最後だもん」
「そうだったね」


 じゃんけんで負けてしまった星名くんの天文部の体験入部は最後だった。


 星名くんは一年生なのに、ときめき部の天文部に所属している。

 入学してすぐに部活動を決められるなんてすごい。
 しかも一人の部活動だ。

 それだけ天文が好きってことだよね?
 自分一人だったとしても、その部活動をがんばろうと思えるのってすごいよ。


「星名くんの天文部の体験入部もすっごく楽しみ!」


 私が言うと、星名くんはにこりと笑顔を浮かべる。


「ありがとう。咲森さんが楽しんでくれるよう、しっかり準備しておかないと! って少し気負いすぎかな? 咲森さんにどうしても天文部を気に入ってほしくて」


 少し照れくさそうに笑う星名くんは、いつもころころと表情を変える。
 話していて気が楽だし、とても親しみやすい。
 きっとこういうところがみんなから好かれるんだろうなぁ。


「気負わないで、のんびり待ってて! でも楽しみにしてるね」


 星名くんはまたにこっと笑う。

 星名くんの天文部ももちろん楽しみだけれど、来週からはまたときめき部内の新しい部活に体験入部だ。


 どんな部活動なんだろう……?


 私は来週の体験入部に想いをはせながら、星名くんとのご飯の時間を楽しんだ。




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