ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉
9、体験入部2 文芸部
視線が痛い……。
放課後、ときめき部の活動場所である多目的教室にやってきた私は、文芸部の夏目先輩から穴が開くんじゃないかってくらいに見つめられていた。
そう、今週の体験入部は文芸部!
夏目先輩の部活だ。
「ええっと……そんなに見つめられると、選びにくいんですけど……」
体験入部にやってきた私は、夏目先輩に「好きな本を選べ」と言われた。
広げられた本を見ていた私を、じいっと見つめる夏目先輩。
選ぼうにも、やたらと緊張してしまって、なかなか本に集中できない。
でも早く選ばないと、きっとずっとこのまま見つめられてしまう! とにかく一冊選んでみよう!
机の上に広げられた本は、いろんなジャンルがある。
ファンタジーに恋愛もの、伝記やミステリ、絵本もあるし、詩集もある。
私はその中の一冊、恋愛小説を手に取った。
「あ、これ、読んだことあります!」
それは昨年、なにかの賞をとって話題になった本だった。
「結末は悲しいけれど、きゅんとするシーンがいっぱいありますよね……!」
夏目先輩に恐る恐る話しかけると、夏目先輩は驚いたように私を見ていた。
「せ、先輩……?」
夏目先輩は私に近づいてくると、がしっと肩をつかむ。
「咲森、合格だ。やはり俺の見立てに間違いはなかった。文芸部に入れ」
「え? え?」
夏目先輩の言葉に、私は目をぱちくりさせるばかり。
「好きな本を選べ、と言って、この中で俺が一番好きな本を咲森は選んだ。好みが一緒ということだ。俺と活動するのに相応しい」
「え、ええっと……? あの、と、とりあえず、文芸部ってなにをする部活動なんでしょうか!?」
あまりに夏目先輩がぐいぐいくるので、私は少し距離を置いて一度話を聞くことにした。
夏目先輩ってもっとクールで冷たい人かと思っていたけど、もしかしてちょっと変わってる?
先輩は、「ああ、悪い」と言って、少し冷静になってくれたみたい。
そうして文芸部の活動内容について話してくれた。
「文芸部は、主に自由に小説や詩を創作する部活動だ。年に二回部誌も発行している。基本的にはお話を書くことが多いが、こうして本を読む日も作っている。簡単に言えば、小説を読み、書く部活動だ」
「な、なるほど……」
小説を読むのは大丈夫だと思うけど、書くってかなりハードルが高いような気がする……。
私は夏休みの宿題で出る、読書感想文も苦手だし……。
私が不安そうな顔をしていたからかな、夏目先輩はふっと表情をゆるめた。
「そんなに身がまえなくていい。書いてみたら、案外楽しいぞ?」
「が、がんばってみます……っ!」
私たちはさっそくお話を書いてみることにした。