ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉

11、体験入部3 放送部


 千景先輩の写真部、そして夏目先輩の文芸部が終わって、今週のときめき部体験入部は、伊瀬先輩の放送部! なんだけど……。


「伊瀬先輩、よ、よろしくお願いしますっ!」


 ときめき部の活動場所、多目的教室の隅の隅。

 伊瀬先輩は小さくなりながら、なにか紙を見ながらぶつぶつとつぶやいていた。
 私が声をかけると、「ひぃっ!」と小さく声を上げて、飛び上がる。


「驚かせてしまってすみません! 今週は、伊瀬先輩の放送部にお世話になることになっていて……」


 私が説明すると、先輩は立ち上がって、「そ、そうだった……」とこれまた小さな声でつぶやいた。

 伊瀬先輩は相変わらず声が小さめのおとなしい先輩だ。
 三年生って、なんだかびしっとしてて厳しそうなイメージがあるけれど、伊瀬先輩はほわっと穏やかな雰囲気。

 いつもおどおどとしている印象があるけれど、人前でしゃべるのは大丈夫なのかな?


「じゃ、じゃあ、ひ、ひとまず、移動しようか……」
「はい!」


 どこに移動するのかは告げられないまま、私は伊瀬先輩と教室を出る。



 先輩に連れられてやってきたのは、放送室だった。


「わぁ、ここが放送室なんですね! はじめて入りました!」
「ほ、放送部は、朝昼夕、ここで校内放送をするんだ……。朝は今日の予定を話したり、ひ、昼は、ラジオみたいにおしゃべりして、音楽を流したり……。夕方の最終下校の放送が、最後の仕事だよ……」
「そうなんですね! 放送部、けっこう忙しいですね」

「……放送部も一応、大会とかもあって……」
「え、放送部に大会があるんですか?」


 放送部に大会があるなんて知らなかった! 

 小学生の頃は、校内放送は放送委員会がやっていた。委員会は週二回くらい、お昼に今流行りの音楽を流していた気がする。

 中学校に上がると、放送部も大会があったりするんだ!

 私の驚きとは反対に、伊瀬先輩は少し困ったように眉を下げた。


「……大会は……、僕は出たことがないんだけどね……」
「え?」


 どうしてですか? と聞こうと思って口を開きかけると、先輩が、


「じゃ、じゃあ体験入部はじめようか」
と話を変えてしまった。


 どうして大会に出ないんだろう? なにか理由があるのかな?


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