ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉

 そうこうしている間に、最終下校の時間になってしまって、伊瀬先輩は放送室の録音ブースに移動した。

 私はその様子を、壁一枚へだてた隣の部屋でじっと見つめる。
 正面はガラスのような透明な窓のようになっていて、中はふかふかのカーペットが敷いてある防音の部屋。

 先輩のいる録音ブースには、マイクやなにかスイッチのようなものもあった。
 小さくぶつっと音がして、室内に備えつけられているスピーカーから、音楽が流れ始める。

 バイオリンの曲が少し物悲しい、クラシック音楽だった。最終下校時刻になると流れる音楽だ。
 これ、伊瀬先輩が流してたんだ。

 そんな当たり前のことを思っていると、先輩の声が耳に届く。


「最終下校時刻となりました。生徒のみなさんは、速やかに下校してください。繰り返します……」
「わあ……!」


 先輩の声があまりにきれいで、とても聞き取りやすくて、私は思わず感動の声を上げちゃった!

 いつも話している先輩の声と全然違う……!!

 きっと朝もお昼も、私はこうして伊瀬先輩の声を聞いていたんだと思う。
 だけど、いつもの先輩と違いすぎて、伊瀬先輩だって気がつかなかったのかも!

 放送が終わって、伊瀬先輩が録音ブースから出てくる。
 私は思わず拍手してしまった。


「先輩すごいです! とっても聞き取りやすくてきれいな声でした!」
「えっ!? え、あ、ありがとう……」


 驚いたように目を丸くした先輩は、やっぱりいつものおとなしい先輩に戻っていて、その声は相変わらず小さかった。

 放送部の時はびしっと決めてるのに、普段とのギャップがすごい……!
 私もこれから発声と活舌をしっかり学ばなくちゃ!




< 33 / 54 >

この作品をシェア

pagetop