ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉
「先輩、こんにちは!」
放送室に入ると、伊瀬先輩がストレッチをして身体をほぐしているところだった。
「さ、咲森さん、こんにちは……」
「今日はなにをするんですか?」
「ま、まずいつものように軽くストレッチをしたら、発声、活舌の練習をして、そのあとは一緒に朗読をやってみようかと……」
「朗読!」
朗読って、文章や詩をただ読むだけじゃなくて、その気持ちをくみとって読むことだよね。
国語の授業で当てられたときのように、ただ音読するだけじゃなくて、感情をこめて読み上げること、だったと思う。
ニュースを読むアナウンサーのような原稿や、ちょっとした詩を読む練習を今までしてきたけれど、朗読ははじめてだ。
「じゃ、じゃあ今日もはじめようか」
「はいっ!」
私は元気よく返事をして、今日の放送部の活動に取り組んだ。
「きょ、教科書に載っている、夏目漱石のこころって作品のとあるシーンを、ルーズリーフ一枚にまとめてみたんだ。それを使って朗読の練習をしよう。まずは一度読んでみて、間と息継ぎはどこがいいか、考えてみて……」
「わかりました!」
わたされたルーズリーフに、私は読みながら自分の息継ぎのしやすいところに斜線をいれていく。
次にその息継ぎの場所が変じゃないかな、なんてことを考えながらゆっくり口に出して読んでいった。
これが文章を読む基本なんだって、伊瀬先輩に教わったんだ!
私が読みながら息継ぎの位置を確認していると、隣から、伊瀬先輩が朗読の練習をする声が聞こえてくる。
先輩の声は相変わらず澄んでいて、とても耳にやさしい。
私は思わず、さっきも疑問に思ったことを先輩に聞いていた。