ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉

「俺も一目ぼれしたんだ!」
「一目ぼれ?」

「俺はもともとピアノとヴァイオリンをやっていてな。クラシック専門だったんだ。しかしあるとき、友人にロックフェスに誘われてな。特段興味はなかったんだが、そこで聞いたロックに心をうばわれてしまった。そのロックバンドがあまりにかっこよくてな。それで俺もエレキギターを始めたわけだ」
「そうだったんですね!」


 六崎先輩はその時を思い出しているみたいに、目をきらきらとかがやかせていた。

 びしっとしていて、身体も大きくて、ちょっと怖い先輩かな? なんて不安に思っていたんだけれど。
ロックを語る先輩は今までの先輩たちと同じで、好きなものにまっすぐでそれが大好きって気持ちがすっごく伝わってきた。

 六崎先輩は、ロックが大好きなんだ!

 先輩がそんなにも夢中になる音楽ってどんなものなんだろう?

 私も興味がわいてきちゃった!


「咲森、さわってみるか?」
「いいんですか?」
「もちろんだ」


 六崎先輩は肩にかけていたエレキギターを、私の肩にかけてくれる。


「わっ、思ったより重いですねっ」


 先輩は軽々と抱えていたけれど、私が抱えるにはちょっと重かった。


「咲森には少し大きいかもしれないな。まずは座って、コードを覚えていこう」
「コード??」
「ギターにはコードというものがあってな。例えば、リコーダーでもファの音を出すとなったらただ吹くだけじゃなく、なん箇所か穴をふさいで、ファの音を出すだろう? それと似たようなもので、ギターもある程度指で押さえる場所が決まっているんだ。それをコードと呼ぶ」
「な、なるほど……難しそうです……」
「最初は大変かもしれないが、気がついたら覚えているものだ。一緒にやってみよう」
「はい!」


 先輩からピックっていう、ギターを弾くのに使う三角形のものをわたされた。なんだか貝殻みたい。

 左手は弦をおさえて、右手はピックを使ってギターを弾くんだって。

 う~、右手と左手、それぞれ違うことをするって難しい……!
 楽器はリコーダーくらいしかやったことがなかったけれど、自分の手で動かして、ギターの音がジャーンって鳴ると、かっこよくて、すっごく楽しい!


「なんだかかっこいい音が出た気がします!」
「ああ、うまく弾けているぞ」


 六崎先輩の教え方はとってもていねいでわかりやすい。

 個性豊かすぎるときめき部のメンバーをまとめられる人だもんね。
 面倒見がよくて、私が少しつまずくと、すぐに教えてくれる。
 六崎先輩って、やさしくて頼もしい先輩なんだ!


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