ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉
15、誰かと一緒の音楽
軽音楽部の体験入部もあっという間に五日目をむかえた放課後。
今日は六崎先輩たち三年生は、私たち一年生よりも授業が一時間多い日なんだって。三年生って大変だ。
私は先輩が来るまで、少しだけ中庭の温室に顔を出すことにした。
入学してから、たまにこの温室に顔を出すのがなんだか習慣になってる。
「こんにちは~」
顔を出すと、野田先生が笑顔でむかえてくれる。
「咲森さん、こんにちは」
温室内の花々も、入学したときとはちがう色合いになってきた。
四月に咲いていた花々は、赤や黄色、ピンクなんかの色鮮やかで春らしいチューリップや菜の花が多く見られたんだけど。
五月になった今は、藤やライラックのような、青や紫系の色が濃い花々が目立ってきたような気がする。
「ツツジも、きれいに咲いてますね!」
「今がちょうど見頃ですね。私が小さい頃は、よくツツジの密を吸ったものです」
「えっ、密って人も吸えるんですか?」
「昔はよく吸っていたものだけど、毒があるかもしれないからね、危ないから吸っちゃだめだよ」
毒……! こんなにきれいに咲いていても、毒があったりするんだ。知らなかった!
花を見るのは好きだけれど、その花についてはぜんぜん詳しくない。
ただきれいなだけじゃなくて、きっとそれぞれにいろんな特徴があるんだと思う。
花について勉強してみるのも、楽しいのかもしれないなぁ……。
「先生、その種はなんですか?」
野田先生は、花壇になにか種みたいなものを植えていた。
「ああ、これはね、ひまわりの種だよ」
「ひまわり! あの夏に咲くひまわりですよね!」
「そうだよ。この時期に植えると、夏には元気な花が咲くんだ」
「ひまわり、大好きです!」
夏の象徴って感じの、花火みたいに明るくて元気な黄色い花。
「夏の花って、この時期に植えるんですね」
「アサガオやマリーゴールドもそうだね」
「夏が楽しみですね!」
私は少しの間、野田先生の種植えを手伝ってから、多目的教室に向かった。