ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉
天井が高くて、丸くなっていて、真ん中に大きな望遠鏡が設置されていた。
その望遠鏡は空に首を向けていて、向けた先のドームはそこだけが四角に切り取られて開いていた。
「大きい望遠鏡だね……!」
私が驚いていると、星名くんが説明してくれる。
「この天体ドームは、天候や気温に左右されず、快適に観測ができる場所なんだ。望遠鏡って、組み立てるのがちょっと大変なんだけど、ここなら、来てすぐにぱっと星が見られるよ」
「のぞいてみて」と星名くんに言われて、私は望遠鏡をのぞく。
ちょうど真正面に大きな丸いものが見えた。
「わぁ、模様がくっきり見える! これはなあに? 月?」
「木星だよ」
「木星!」
「木星は、太陽から五番目に位置する、惑星の中でも一番大きい惑星なんだ。木星は衛星を九十七個も持っていて、その中でも四つの衛星が、ガリレオ衛星って呼ばれていて有名なんだ。あ、衛星っていうのは、地球でいうと月と同じで、惑星の周りをまわっている天体のことだよ」
「ほえー」
なんだか知らないことだらけで、ぽかんと口を開けちゃった。
「木星の衛星は、双眼鏡でも見えるし、小さな望遠鏡でも見えるよ。少し外に行こうか」
「うん!」
星名くんに連れられて、天体ドームの外に出ると、望遠鏡がいくつか置かれていた。
私はその一つをのぞいてみる。
大きな球体のまわりに、小さな四つのかがやきが見えた。
「これが木星の衛星?」
「そうだよ。イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストって名前がついてるんだ」
「へえ!」
木星とその周りに四つの衛星が仲良さそうにくっついていた。なんだかかわいい!
望遠鏡をのぞきこんでいると、ぴゅうっと小さく冷たい風が吹いた。
「くしゅっ!」
夜の七時になると、辺りはもう真っ暗で、春だけど少し肌寒い。
私がくしゃみをしたのを見て、星名くんが、「ちょっと待ってて!」とあわてて天体ドーム内へ走っていった。
不思議に思いながら待っていると、星名くんはブランケットと飲み物を持ってもどってきた。
「ごめん、寒かったよね? これ、よかったら使って」
そう言って星柄のかわいいブランケットをわたされる。
「ありがとう!」
私はそれをさっそく肩にかけた。
「これもよかったら!」
次に星名くんにわたされたのは、あたたかいココアだった。
「わぁ! ありがとう!」
一口飲むと、あたたかな甘みが口の中いっぱいに広がって、すぐに身体をあたためてくれた。
「気が利かなくてごめん。咲森さんと一緒に天体観測できるのが嬉しくて、少しはしゃいじゃってたかも。屋上が冷えるの、忘れちゃってた」
申しわけなさそうに頭を下げる星名くんに、私は首をぶんぶんと横に振る。
「むしろなにからなにまでありがとうだよ! 気をつかってくれてありがとう!」
「当たり前だよ。俺、咲森さんと天体観測できるのを、ずっと楽しみにしてたんだから」
「そうなの? あ、部活勧誘のためだもんね!」