ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉

18、星のようにかがやくきみ


 星名くんとの天文部の活動も、五日目をむかえた放課後。

 私たちは屋上にレジャーシートを広げてそこに腰をおろしていた。
 ひざにはブランケットをかけて、手元にはあたたかなココア。
 そうしてもう片方の手には、双眼鏡を持っていた。


「あ、見て! あれがおとめ座のスピカだよ」
「え? おとめ座? 私、おとめ座だよ! この時期に見えるんだねえ」
「ちなみにその隣の星座が、しし座だよ。俺、しし座なんだ」
「え! そうなんだ! お隣さんだねっ」
「うん、そうだね!」


 そんな話をしながら、二人並んで星を見る。
 静かな夜に、少し冷えた空気。あたたかなココアと、頭の上でキラキラとかがやく星たち。


「天文部も楽しいなぁ……」


 これまでもいろんな部活動の体験をしてきたけれど、どれも本当に楽しかった。
 それぞれの好きって気持ちも、先輩たちの楽しそうな笑顔も、体験してみてはじめて知ることができた。

 星名くんは私の顔をのぞきこんで尋ねる。


「どう? 部活、決まりそうかな?」
「うーん……」


 写真部、文芸部、放送部、軽音楽部、そして天文部。

 どの部活動も本当に楽しかった。
 でもやっぱり、一つに決められない。
 どれも楽しかったはずなのに……。

 私が悩んでしまったのを見て、星名くんはぽつりぽつりと話し出す。


「俺、小さい頃から星が大好きなんだけど、それは父さんの影響も大きくて」
「え?」
「小さい頃に、よく天体観測に連れて行ってもらったんだ。もちろん家からも見てたんだけど、少し開けた原っぱとか、丘の上の方とか。いろんなところから星を見て、いろんな星の話を聞いた。そうしたらすっかり星のことが好きになっちゃって」


 私は静かに星名くんの話に耳をかたむける。


「俺の父さん、この学院の卒業生で、天文部だったんだ。だから、父さんの思い出の天文部をなくしたくなくて、一人でも活動しようって決めたんだ」
「そうだったんだ……」


 だから星名くんは入学してすぐ、ときめき部の天文部に入部を決めたんだ。
 一人だったとしても、天文部を存続させたかったんだ。


「咲森さんはどう?」
「え?」
「難しく考えなくていいんだよ。自分がちょっと気になるな、とかこういうもの好きだなとか、もっと知ってみたいな、って思うこと、あるんじゃない?」
「え……?」


 私の好き……?


 私は顔を上げて、星空を見つめる。
 真っ青な海に、きらきらした黄色い花がたくさん咲いているみたい。

 そこでふと頭の中をよぎったのは、中庭にある、温室のことだった。


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