ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉

 そこには色とりどりの花々が咲いていて、太陽に向かって気持ち良さそうに背筋を伸ばしてる。

 花を見ていると、自然と頬がゆるんで穏やかな気持ちになる。
 今はただきれいだな、って思う花たちのこと、もっと知りたいって思う。

 この花はどんな育ち方をするんだろう? どんなつぼみをつけて、どんな花を咲かせるんだろう?
 この前植えた夏の花々は、ちゃんと元気に咲いてくれるかな?

 そんなふうに考え出すと、胸がどきどきしてときめいてきちゃう。


 ときめき……。そっか、ときめき……! きっとこれが…………。


「星名くん! 私っ……!」


 私は自分の中に生まれていた、好きなことへの種に、ようやく気がついた。
 思い切ってその言葉を口にする。


「私、きっと花のことが好き! もっと花のことを知りたいよ!」


 星名くんは驚くことなく、穏やかに微笑む。


「そうかなって、思ってた」
「え?」
「咲森さんとはじめて会ったときも、温室の花をキラキラした目で見てた。それからも何度か温室に行ってたみたいだし、もしかして咲森さん、花が好きなんじゃないかなぁって」
「え、星名くん、気がついてたの……?」


 星名くんは、私が気がつくよりも先に、私が花に興味があるんじゃないかってことに気がついてたんだ。

 私は急に不安になる。星名くんを傷つけてしまったんじゃないかって。
 だって、私が天文部に入らなかったら、また一人の部活になっちゃう。
 体験入部も意味がなくなっちゃう……。


「咲森さん、今までの体験入部の意味がなくなっちゃう、とか思ってない?」
「えっ」


 ずばりと内心を言い当てられて、私はどきっとする。


「今までの体験入部に、意味がないなんてことないよ。咲森さんが好きに気がつくきっかけになることもあったんだろうし。それに、先輩たちも咲森さんと一緒に部活ができて、すっごく楽しかったはずだよ」
「ほ、星名くんも……?」
「もちろん! 俺だってそうだよ。自分の好きなことを、咲森さんに楽しんでもらえて、すっごく嬉しかった! やっぱり俺は星が好きなんだって、改めて思ったよ」


 星名くんの言葉に、私はほっと胸をなでおろす。


「だから、咲森さん」


 星名くんは私の目を見て、優しく微笑んだ。


「自分の好きなことに正直になっていいんだ。好きなことを好きなだけやる。それがときめき部だよ」
「うん……!!」


 星名くんの言葉に、心が軽くなる。

 そうだ、ときめき部の先輩たちは好きなことに全力で、他の人の好きなことをじゃましないし、否定したりもしない。
 きっと私が花が好きだって言っても、先輩たちは受け入れてくれる!


「星名くん、ありがとう!」
「俺はなにもしてないよ。きっと咲森さんなら、そのうち自分で気がついていたと思うよ」


 好きだな、って思えることに出会ったのははじめて。

 花のことを知りたい。もっとお世話をしたい。
 みんなも好きなことを考えるときって、こんな気持ちだったのかな?

 どんどんやる気がわいてきて、花のことばっかり考えちゃう。

 好きってすごいパワーがわいてくるものなんだ!


「星名くん、一週間ありがとう!」
「こちらこそ! 咲森さんと天体観測ができてすごく楽しかった!」
「来週からも、ときめき部として、よろしくね!」
「もちろん!」


 所属はちがっても、同じときめき部。

 私は星々が瞬く夜空に向かって手を伸ばす。



 私も、星みたいにかがやく好きを見つけたよ!




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