ようこそときめき部!~恋も夢も見つかるときめきだらけの部活動⁉
食堂に行くと、大勢の生徒たちがご飯を食べていた。
食堂はホテルのバイキングのようになっていて、好きなものを好きなだけ自由に取って食べていいみたい。
私はカレーとサラダとデザートにヨーグルトを持って、適当な席に腰を下ろす。
みんな友達とおしゃべりしながら、楽しそうに食べている。
そういえば、今日は入学式だけだったから、クラスの子とあまりおしゃべりできなかったなぁ。
みんなあっという間に部活動見学に行ってしまったし。
クラスメイトでおしゃべりしたのは、星名くんくらいだ。
今までご飯のときは当然お父さんとお母さんと食べていたから、なんだか一人でのご飯って少し寂しい……。
明日はもっとクラスの子に話しかけてみよう!
そう思ったところで、かたんと音を立てて、向かいの椅子が引かれた。
「咲森さん」
「星名くん!」
そこには、ハンバーグともりもりの白米をお盆にのせた、星名くんがいた。
星名くんの笑顔に、なんとなくほっとする。
「俺もここで食べてもいい?」
「もちろん!」
私は快くうなずく。
「一人で寂しかったから、咲森さんがいてよかった」
「わ、私も! 部活に夢中で、まだクラスの子とお話しできてなくて……。だから、星名くんが声をかけてくれて嬉しかったよ!」
「一緒だ!」
星名くんのきらきらした笑顔に、傍に座っていた女の子たちが、「うっ」と言って胸をおさえた。
わかる、わかるよ。
星名くんが笑うと、なんだか心がぽかぽかするもんね。
花が太陽の光を浴びて、元気になるみたいな、そんな感じがする。
二人で一緒に手を合わせて、「いただきます」をする。
「俺もカレーと迷ったんだよなぁ」
「カレーすっごくおいしいよ! 一口食べる?」
「え、いいの? 食べたい!」
そんなやり取りをしていると、私たちに二つの影が落ちた。
「なんか二人、距離近くない? もしかして付き合ってる?」
顔を上げると、そこにいたのは三滝先輩と夏目先輩で。
「先輩! こ、こんばんは!」
さっき別れたばかりの先輩たちは、私と星名くんの横に腰を下ろした。
「はーい、こんばんは。もしかして邪魔しちゃった?」
私と星名くんは、そろって首をぶんぶんと横に振る。
そんな私たちの様子を気にすることなく、夏目先輩はさっそくお盆にのせていた蕎麦をすすっている。
ちなみに三滝先輩は、きつねうどん。
結構おしゃれな料理もあるはずなのに、結局みんなふつうのご飯を選ぶんだなぁ、なんてのんきなことを考えていると、周囲からの視線がより一層こっちに集まってきていることに気がついた。
女の子たちがこちらを見て、なにかこそこそと話している。
その目はそろってハートになっていて、私はなるほど、とうなずく。
三滝先輩も夏目先輩も、それに星名くんもとってもお顔が整ってるもんね。
女の子たちがかっこいいと思うのも無理ないよ。
そんな中にいる平凡な私。
今後ときめき部として活動するなら、きっとこの視線になれなきゃいけないんだろうなぁ。ちょっと大変そう……。
そう思っていると、星名くんが居心地悪そうに、私にだけ聞こえるように小さくささやいた。
「先輩たちって、やっぱりモテるんだね。二人ともかっこいいもんなぁ」
あなたもです、あなたもですよ、と思いながら、私は星名くんに微笑み返した。