手を、つないで
次の日、午前中のチームミーティング。
高井戸さんからの報告。
「松永が手伝うって言ってくれてるので、想定より早く進むと思います」
みんな、それなら安心、という反応だった。
「助かるけど、松永さん手空いてるんですか?大丈夫ですかね」
広瀬さんが言う。私もそう思ってた。
「手が空いてるっていうか、余裕があるって感じ。今あいつが抱えてる仕事は、まだ納期は先なんで。こっちが終わったら、あっちを手伝います」
「持ちつ持たれつ、ですね。じゃあお願いしましょう。俺からも言っときます」
ミーティングが終わる。
本当に大丈夫なのかな。高井戸さんがああ言うんだから、大丈夫なんだと思うけど。
自席に戻って、スマホを出す。
ーーーさっき、ミーティングで聞きました。うちのチームの作業、お手伝いしてくださるそうですね。
ーーー助かります
ーーーでも、無理はしないでくださいね
文章を打ったはいいけれど。
送ってもいいかな。ウザくないかな。
昨日聞いたのは、もっと軽い内容のつもりだったんだけど。そしてまだそういうメッセージは送ってないから、これが一発目になる。
重くないかな。
迷って迷って。
横から視線を感じた。
早苗ちゃんが、またにまにましてる。
「まっほー、難しい顔してるね」
「あ……うん」
「あんまり考え過ぎない方がいい時もあるよ。何事も」
「そう……だ、ね……」
思い切って、送信を押した。
息をつくと、早苗ちゃんがうんうんと言ってくれた。
ほんと、鋭いなあ。でもまだ何か言ってくる気配はない。
ありがたい。ちゃんと、話すからね。もう少し、待っててね。