一夜限りの関係のはずが、隠れ御曹司から執愛されています
「小春さん、大丈夫ですか?」
二人でそれぞれシャワーを浴び終わり、ベッドの中にいる。
詩音さんは
「二人でシャワー行きましょう」
なんて言ってくれたけれど、さすがに遠慮をした。
「大丈夫です」
布団の中で詩音さんの手を握る。
「俺、幸せです」
真暗で彼の表情は見えないけれど、声音が優しい。
「私も」
新と別れた時は、しばらく恋愛なんてしなくて良いって思ったけれど、前の恋愛を超えたいくらい大切な人がいる。例えそれがまだ「お試し」の交際だとしても、詩音さんが私のことを好きだと言ってくれるから。詩音さんが好きだと言ってくれる自分を好きでいようと思う。
「詩音さんと居ると、ドキドキします。だけど安心できるからか落ち着く時もあって。今、久しぶりに眠気に襲われてます」
ストレスと騒音でしばらく眠れなかったけれど、今は目を閉じてしまうと一瞬で寝てしまうんじゃないかと思うくらいの眠気だ。
付き合ってはじめてのお泊りなのに眠いとか、失礼かな。
「良かった。今日はゆっくり寝てください。いろいろ疲れただろうから」
怒ることなく、彼は私のことを受け容れてくれる。
「はい」
目を閉じると、朝を迎えていた。
次の日――。
「う……ん」
目を開けると、隣に詩音さんの姿がない。
「詩音さん?」
寝室を出てリビングへ向かおうとすると、彼の声が聞こえてきた。
あれ、電話でもしてるのかな。
「わかった。うん。えっ?俺の家?今はダメだよ」
友達との電話かな?
詩音さんが敬語じゃなく、ラフな口調で話してる。
「いいよ。今度会った時ね。また予定教えて?」
あれ。相手の声、女の人の声かも。部屋が静かだから僅かに聞こえる。
友達、女の人なのかな。詩音さんにバレないように、スッと寝室へ戻る。
都合の良いように解釈しようとしていたけれど、今度会った時って、彼女がいても女友達と会うものなの?ただの友達ならいいのか。
詩音さんは副社長だから、付き合いってたくさんあるよね。直接詩音さんに聞こうか?
いや、まだ付き合ったばかりだし、お試しでなんて言っている状態だから、束縛の激しい女だと思われたらどうしよう。
うーんと悩んでいると
「あれ、小春さん。起きてたんですか?」
詩音さんが寝室のドアを開け、こちらを見ている。
「あ、はい。今起きました」
本当はちょっと前だけど。
「朝ごはんを作ったんで、良かったら食べましょう」
ええっ、もう準備してくれてたの。
「はいっ。今顔を洗ってきます」
詩音さんの一言で、感じた不安はどこかに行ってしまう。
別れたいと思っているなら、朝食の準備なんてしてくれないよね。こんなに大切にされているんだから、彼を信じよう。
詩音さんと過ごすはじめての休日は、とても新鮮だった。
二人でゆっくりと朝食を食べ、詩音さんの車でドライブや買い物に出かけ、嫌なことを忘れられた。
デート中はスマホを見ることはなかったし、朝のような電話もない。女の人の声は聞き間違えなんじゃないかと思うくらい不自然なところはなく、私だけに目線を向けてくれる。
きっと声が高い友達なんだ。
単純な私はそう思うことにした。
二人でそれぞれシャワーを浴び終わり、ベッドの中にいる。
詩音さんは
「二人でシャワー行きましょう」
なんて言ってくれたけれど、さすがに遠慮をした。
「大丈夫です」
布団の中で詩音さんの手を握る。
「俺、幸せです」
真暗で彼の表情は見えないけれど、声音が優しい。
「私も」
新と別れた時は、しばらく恋愛なんてしなくて良いって思ったけれど、前の恋愛を超えたいくらい大切な人がいる。例えそれがまだ「お試し」の交際だとしても、詩音さんが私のことを好きだと言ってくれるから。詩音さんが好きだと言ってくれる自分を好きでいようと思う。
「詩音さんと居ると、ドキドキします。だけど安心できるからか落ち着く時もあって。今、久しぶりに眠気に襲われてます」
ストレスと騒音でしばらく眠れなかったけれど、今は目を閉じてしまうと一瞬で寝てしまうんじゃないかと思うくらいの眠気だ。
付き合ってはじめてのお泊りなのに眠いとか、失礼かな。
「良かった。今日はゆっくり寝てください。いろいろ疲れただろうから」
怒ることなく、彼は私のことを受け容れてくれる。
「はい」
目を閉じると、朝を迎えていた。
次の日――。
「う……ん」
目を開けると、隣に詩音さんの姿がない。
「詩音さん?」
寝室を出てリビングへ向かおうとすると、彼の声が聞こえてきた。
あれ、電話でもしてるのかな。
「わかった。うん。えっ?俺の家?今はダメだよ」
友達との電話かな?
詩音さんが敬語じゃなく、ラフな口調で話してる。
「いいよ。今度会った時ね。また予定教えて?」
あれ。相手の声、女の人の声かも。部屋が静かだから僅かに聞こえる。
友達、女の人なのかな。詩音さんにバレないように、スッと寝室へ戻る。
都合の良いように解釈しようとしていたけれど、今度会った時って、彼女がいても女友達と会うものなの?ただの友達ならいいのか。
詩音さんは副社長だから、付き合いってたくさんあるよね。直接詩音さんに聞こうか?
いや、まだ付き合ったばかりだし、お試しでなんて言っている状態だから、束縛の激しい女だと思われたらどうしよう。
うーんと悩んでいると
「あれ、小春さん。起きてたんですか?」
詩音さんが寝室のドアを開け、こちらを見ている。
「あ、はい。今起きました」
本当はちょっと前だけど。
「朝ごはんを作ったんで、良かったら食べましょう」
ええっ、もう準備してくれてたの。
「はいっ。今顔を洗ってきます」
詩音さんの一言で、感じた不安はどこかに行ってしまう。
別れたいと思っているなら、朝食の準備なんてしてくれないよね。こんなに大切にされているんだから、彼を信じよう。
詩音さんと過ごすはじめての休日は、とても新鮮だった。
二人でゆっくりと朝食を食べ、詩音さんの車でドライブや買い物に出かけ、嫌なことを忘れられた。
デート中はスマホを見ることはなかったし、朝のような電話もない。女の人の声は聞き間違えなんじゃないかと思うくらい不自然なところはなく、私だけに目線を向けてくれる。
きっと声が高い友達なんだ。
単純な私はそう思うことにした。