一夜限りの関係のはずが、隠れ御曹司から執愛されています
「離してください!」
思いっきり振り払おうとしたけれど、彼の手が離れることはない。
「誤解されるようなことをしてすみません」
「良いんです!私はお試しの彼女だったんですから。いつの間にか勝手に本当の彼女だと思い込んでしまって、私の方こそごめんなさい!」
私、詩音さんのことが心から好きなんだ。
だから、こんなに我慢できないくらい涙が出るのかな。
「小春さん、泣いてる。俺の話、聞いてください」
「聞きたくないです。いいです、もう私のことなんてほっといてください!」
声が大きくなってしまった。
大通りから離れたとはいえ、人通りのある場所だ。こんなに目立っちゃいけないのに。
「小春さん」
「いいから離して!」
私が再度彼から離れようと抵抗した時
「あの女性は、俺の《《姉》》なんです」
彼が私を思いっきり抱きしめ、耳元で聞こえるようにはっきりと告げられた。
「詩音さんのおねえさん?」
私は一気に力が抜け、抵抗していた両手も脱力した。
お姉さんだったんだ。私、なんて勘違いをしちゃったの?
だけどお姉さんとあんな風に歩いたりする?まるでカップルみたいだった。
「姉と言われても不思議に思われるかもしれなません。姉は、昔から俺にべったりで。もう諦めてるんです。抵抗してもうるさいだけなので」
はぁと詩音さんは息を吐く。
「ちょっと!詩音、どこに行く……って、その子だれ?」
声の方向を見ると、詩音さんと歩いていた女性が見えた。
詩音さんはお姉さんの前でも私を抱きしめたまま、離さない。
「姉さんのせいで、勘違いさせちゃったんだ」
「あー。ごめん。可愛い弟と久しぶりに会ったら嬉しくて。私、ブラコンだからさ」
えっ、お姉さんもあっさり認めてる。
詩音さんはゆっくりと私を離し
「姉の奈々子です」
お姉さんを紹介してくれた。
「はじめまして。彼女さん。詩音の姉の、奈々子です」
お姉さんはニコッと笑い、軽く会釈をしてくれた。
「あっ。はじめまして。田澤小春です。詩音さんにはお世話になっています」
ペコっと頭を下げる。
「小春ちゃんっていうんだ。ごめんねー。あんなところ見たら、びっくりするよね」
手を合わせてごめんと言ってくれた。
「実家からしばらく離れてたんだけど、こっちに戻ってくることになってね。詩音に買い物とか付き合ってもらってたの」
そう言えば、詩音さんからそんな話を聞いた気がする。
「良かったらこの後、一緒にご飯とか行かない?」
「ちょっと、姉さん!!」
良いじゃん別にとお姉さんは言っている。
私が詩音さんとこの先の関係を望んでいるのなら、断われない誘いだ。
「はい。もし良かったら」
チラッと詩音さんを見ると
「無理しなくて良いんですよ」
詩音さんは困っている顔をしていた。
近くの居酒屋に入り
「カンパーイ」
そう言って奈々子さんはグビッと美味しそうにビールを一気飲みした。
「すみません。姉はお酒が好きで」
「いえ。いただきます」
お付き合いするためにお酒を飲もうと思ったが
「気を遣わなくていいですよ」
詩音さんが助言してくれた。
たしかに最近また寝不足だ。ここでお酒でも飲んだら、悪酔いしちゃう。
ノンアルコールカクテルを飲みながら、お姉さんの話を聞いていた。時折見せるテレている詩音さんの顔が可愛くて。お姉さんの発言にピクッと眉を動かしながら、横目で見ている彼が新鮮で面白い。
そんな詩音さんの姿にフフっと自然と笑みを浮かべてしまう。
好きな人の新しい表情を知ることは、嬉しいな。
「小春ちゃん、どうしたの?」
お姉さんが私の顔を見て、面白いこと言ったかしらと首を傾げた。
思いっきり振り払おうとしたけれど、彼の手が離れることはない。
「誤解されるようなことをしてすみません」
「良いんです!私はお試しの彼女だったんですから。いつの間にか勝手に本当の彼女だと思い込んでしまって、私の方こそごめんなさい!」
私、詩音さんのことが心から好きなんだ。
だから、こんなに我慢できないくらい涙が出るのかな。
「小春さん、泣いてる。俺の話、聞いてください」
「聞きたくないです。いいです、もう私のことなんてほっといてください!」
声が大きくなってしまった。
大通りから離れたとはいえ、人通りのある場所だ。こんなに目立っちゃいけないのに。
「小春さん」
「いいから離して!」
私が再度彼から離れようと抵抗した時
「あの女性は、俺の《《姉》》なんです」
彼が私を思いっきり抱きしめ、耳元で聞こえるようにはっきりと告げられた。
「詩音さんのおねえさん?」
私は一気に力が抜け、抵抗していた両手も脱力した。
お姉さんだったんだ。私、なんて勘違いをしちゃったの?
だけどお姉さんとあんな風に歩いたりする?まるでカップルみたいだった。
「姉と言われても不思議に思われるかもしれなません。姉は、昔から俺にべったりで。もう諦めてるんです。抵抗してもうるさいだけなので」
はぁと詩音さんは息を吐く。
「ちょっと!詩音、どこに行く……って、その子だれ?」
声の方向を見ると、詩音さんと歩いていた女性が見えた。
詩音さんはお姉さんの前でも私を抱きしめたまま、離さない。
「姉さんのせいで、勘違いさせちゃったんだ」
「あー。ごめん。可愛い弟と久しぶりに会ったら嬉しくて。私、ブラコンだからさ」
えっ、お姉さんもあっさり認めてる。
詩音さんはゆっくりと私を離し
「姉の奈々子です」
お姉さんを紹介してくれた。
「はじめまして。彼女さん。詩音の姉の、奈々子です」
お姉さんはニコッと笑い、軽く会釈をしてくれた。
「あっ。はじめまして。田澤小春です。詩音さんにはお世話になっています」
ペコっと頭を下げる。
「小春ちゃんっていうんだ。ごめんねー。あんなところ見たら、びっくりするよね」
手を合わせてごめんと言ってくれた。
「実家からしばらく離れてたんだけど、こっちに戻ってくることになってね。詩音に買い物とか付き合ってもらってたの」
そう言えば、詩音さんからそんな話を聞いた気がする。
「良かったらこの後、一緒にご飯とか行かない?」
「ちょっと、姉さん!!」
良いじゃん別にとお姉さんは言っている。
私が詩音さんとこの先の関係を望んでいるのなら、断われない誘いだ。
「はい。もし良かったら」
チラッと詩音さんを見ると
「無理しなくて良いんですよ」
詩音さんは困っている顔をしていた。
近くの居酒屋に入り
「カンパーイ」
そう言って奈々子さんはグビッと美味しそうにビールを一気飲みした。
「すみません。姉はお酒が好きで」
「いえ。いただきます」
お付き合いするためにお酒を飲もうと思ったが
「気を遣わなくていいですよ」
詩音さんが助言してくれた。
たしかに最近また寝不足だ。ここでお酒でも飲んだら、悪酔いしちゃう。
ノンアルコールカクテルを飲みながら、お姉さんの話を聞いていた。時折見せるテレている詩音さんの顔が可愛くて。お姉さんの発言にピクッと眉を動かしながら、横目で見ている彼が新鮮で面白い。
そんな詩音さんの姿にフフっと自然と笑みを浮かべてしまう。
好きな人の新しい表情を知ることは、嬉しいな。
「小春ちゃん、どうしたの?」
お姉さんが私の顔を見て、面白いこと言ったかしらと首を傾げた。