夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
「なにか相談かしら?」
「……あの、渉さんに内緒で買い物に行きたくて」
「買い物?」
「その……クリスマスも近いので、プレゼントを」

 今、私のスマホには位置情報アプリが入っていて、常に渉さんと共有している。
 基本的にはマンションと店の往復だから必要ないと思ったけど、もしもの時に駆け付けられるからと頼み込まれた結果、ストーカー男との一件に決着がつくまでという約束で入れている。

 特に不便はないしと思っていたのだけど、予定外の行動をすると心配させてしまうという弊害が出てしまう。

「そういうことなら、一緒に行きましょう。私がマンションまで送れば問題ないわよ。今日はお客さんも少ないし、後のことは旦那に任せて、早退しましょうか」
「ええっ、そんな! お仕事は最後までします」
「いいのよ。たまには息抜きしないと」

 ふふっと笑った奥さんは、そうと決まればといって事務所に入っていった。
 店長になんて説明してくれたのかわからないけど、すぐに早退の許しをもらえた。
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