夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
「そ、そんな迷惑だなんて。私こそ、大学の頃からいっぱいお世話になってきて……その、奥さんと店長がいたから、頑張ってこれたというか」
「そういってもらえて嬉しいわね」
ほっと吐息をつくように、奥さんは頷きながらそういった。その横顔に、実家の母が重なった。
目的もなく大学に通うことを申し訳なく思ってきた。卒業したらきちんと働かないと、そう思って苦しみながら就職活動をした。だけど、なかなか内定がもらえず悩んで泣いた日、奥さんが背中をさすってくれたことを、今でも覚えている。
「百香ちゃんがいつか店を辞めるって話してくれた時、嬉しいような悲しいような、複雑な気持ちだったのよ」
「それは……ごめんなさい」
「謝ることじゃないわ。だって、百香ちゃんはずっと悩んできたんだから。その背中を押すのが、親の務めだと思うの」
「……親の務め」
「これからも、悩んだり躓いたら、横浜のお母さんだと思って相談して欲しいって思っているのよ。田舎のお母さんだけじゃなくて、百香ちゃんにはもう一人……違うわね。もう二人、お母さんがいるのよ」
交差点でブレーキを踏んだ奥さんは、したり顔で私を振り返った。
「そういってもらえて嬉しいわね」
ほっと吐息をつくように、奥さんは頷きながらそういった。その横顔に、実家の母が重なった。
目的もなく大学に通うことを申し訳なく思ってきた。卒業したらきちんと働かないと、そう思って苦しみながら就職活動をした。だけど、なかなか内定がもらえず悩んで泣いた日、奥さんが背中をさすってくれたことを、今でも覚えている。
「百香ちゃんがいつか店を辞めるって話してくれた時、嬉しいような悲しいような、複雑な気持ちだったのよ」
「それは……ごめんなさい」
「謝ることじゃないわ。だって、百香ちゃんはずっと悩んできたんだから。その背中を押すのが、親の務めだと思うの」
「……親の務め」
「これからも、悩んだり躓いたら、横浜のお母さんだと思って相談して欲しいって思っているのよ。田舎のお母さんだけじゃなくて、百香ちゃんにはもう一人……違うわね。もう二人、お母さんがいるのよ」
交差点でブレーキを踏んだ奥さんは、したり顔で私を振り返った。