夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
「き、綺麗だなんて……私だって名刺を見たから気付いたっていうか。その、ニューヨークにいったって聞いてたから、日本にいるなんて……」
五年前、私が大学に入ると同時に渉さんが渡米した日を思い出した。
その少し前、彼の背中を追って目指していた私は大学受験に失敗した。
合格したら告白しようと思っていたから、不合格の文字に「お前は佐伯渉に相応しくない」といわれた気がした。不純な気持ちが、不合格に繋がったんだって、自分を責め続けた。
渡さんに、合わせる顔がなかった。
だから、一言「ごめんなさい」ってメッセージを送ってから、連絡を絶った。二度と会うことはないと。
なのに今、渉さんはあの頃と変わらない優しい眼差しを私に向けてくれている。その視線の意味を考えると、胸が苦しくなった。
「戻ってきたんばかりだよ。日本の飯が恋しくてさ」
冗談か本気かわからない顔で笑う渉さんは、湿布を貼った私の手首に包帯を巻いていく。
五年前、私が大学に入ると同時に渉さんが渡米した日を思い出した。
その少し前、彼の背中を追って目指していた私は大学受験に失敗した。
合格したら告白しようと思っていたから、不合格の文字に「お前は佐伯渉に相応しくない」といわれた気がした。不純な気持ちが、不合格に繋がったんだって、自分を責め続けた。
渡さんに、合わせる顔がなかった。
だから、一言「ごめんなさい」ってメッセージを送ってから、連絡を絶った。二度と会うことはないと。
なのに今、渉さんはあの頃と変わらない優しい眼差しを私に向けてくれている。その視線の意味を考えると、胸が苦しくなった。
「戻ってきたんばかりだよ。日本の飯が恋しくてさ」
冗談か本気かわからない顔で笑う渉さんは、湿布を貼った私の手首に包帯を巻いていく。