夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます
「昨夜は満足してくれたんだ?」
「……恥ずかしいこと聞かないでください」
「百香が満足するよう、これからも君に尽くすよ。だから」

 口元に引き寄せた私の薬指に、優しく唇が寄せられる。
 私を見つめる渉さんの強い眼差しに、お腹の奥がきゅんっと熱くなった。

「俺の妻として、一生ともに歩んで欲しい」
「妻として……」

 渉さんからもらった契約書にあった特約事項が脳裏をかすめた。
 あの日も、渉さんは夫として私を守るといってくれた。私も、生涯かけて愛すると誓った。
 その気持ちは今も変わらない。だけど──

「それだけじゃダメです」

 渉さんの手を握りしめ、ちょっと驚いた顔を真っすぐに見つめる。

「私は公私ともに渉さんを支えたいです。だから……パラリーガルになるために、止まってる勉強を教えてください」

 私の決意を受け止めるように、渉さんは手を引いて腕の中へと引き入れた。そうして、甘く優しい声で「当然だ。全力でサポートするよ」と囁くと、そっと私の顎を押し上げた。

 大学入試で失敗して、なにもかもから逃げだした私だけど、きっと大丈夫。だって、世界一過保護なエリート弁護士が私にはついているんだから。

 差し込む朝日を受けながら、熱い口づけを甘受して幸福感で満たされた。
< 132 / 132 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:25

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
~弟のため継母を追い出すことができるなら、政略結婚も利用させて頂きます!~ ▲▽▲▽▲▽▲▽ 2025年9月26日 ▽▲▽▲▽▲▽▲ ファンタジー総合1位/恋愛ファンタジー1位 ▲▽▲▽▲▽ありがとうございます!!▽▲▽▲▽▲ ※本作は、少しのミステリー要素を含んだ恋愛小説です。また、カクヨム、なろう、ネオページ、Nolaにも同タイトルがあります
表紙を見る 表紙を閉じる
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲  生真面目で一途な侯爵×絶望の純潔令嬢 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ ヒロイン:イリス・エヴァレット(18歳)伯爵家の娘。王立魔法学園に通う。身長155cm、赤毛、エメラルド色の瞳 第二王子アルベルトの婚約者。大人しくて尽くすタイプ。少し我慢しがちなところがある。学園を卒業したら婚礼を執り行う予定でお妃教育も受けている。小柄ながら胸が大きいことがコンプレックス。とても信心深く、婚前性交を拒んできた。 ヒーロー:ルシウス・クロムウェル(28歳)身長180cm、プラチナブロンド、ラピスラズリ色の瞳。 王家公認の娼館(王侯貴族の寵姫育成機関、表向きは修道院)を運営する侯爵。 イリスのことは、十年前にアルベルトから紹介されている。小さくて愛らしいイリスは殿下とお似合いだと思いながら見守ってきた。 未だ妻を迎えていないことで、悪い噂を立てられている。 ※「第2回1話だけ大賞」エントリー作品につき、1話目で完結しています。長編バージョン公開はしばらくお待ちください。
表紙を見る 表紙を閉じる
「自分のために作るのは虚しい」そう呟いた孤独な社長を、私の料理で癒したい ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ ベンチャー企業社長×貧乏女子大生 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲ ヒロイン:坂下咲良(さかしたさくら)3月17日生まれ(大学2年) 大学から少し離れたカフェ【珈琲さざんか】でバイトをしている。平日の夜は塾講師のバイトも入れている苦学生。高校の時に父親は過労で他界。奨学金とバイト代で浜都国立大学に通っている。ご飯が大好きな健康オタクの側面がある。 ヒーロー:東條一織(とうじょういおり)6月8日生まれ(29歳) 咲良のバイト先の常連。遅い昼食を食べに来ることが多い。 大手ゼネコン東條建設の一人息子だが、父親と反りが合わない。現在はヘルスケア関連事業のベンチャー企業を立ち上げて独立。咲良には東條建設の息子であることを打ち明けていない。 自分のことをオジサンという癖がある。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop