夢から逃げた私ですが、過保護なエリート弁護士に溺愛されてます

第3話 デートだと思っていいですか?

 大判のストールを首に巻き、ベレー帽を被ったニットワンピース姿を鏡に映して、変なところはないかなと何度もチェックをした。

 11月に入ったけど、今日はぽかぽかとした陽気だって天気予報でいっていたし、コートはいらないよね。鞄はショルダーでいいかな。お財布とメイクポーチを入れたし、ハンカチも入っている。
 そわそわしながら確認をしていると、テーブルの上に置いてあるスマホが震えた。

 慌ててディスプレイを見れば、渉さんから「着いたよ」というメッセージが届いていた。

 鞄と一緒に小さな紙袋を持ち、パンプスを履きながら「すぐ行きます」とメッセージを送り、慌ただしく玄関を飛び出した。

 マンションのエントランスを出ると、車道に一際目を引く艶やかな黒のセダンが停まっていた。もしかして、テレビのCMでもよく目にする国産の高級車じゃないかな。
 まさか、渉さんの車って……他に車がないかきょろきょろとしていると、運転席から渉さんが降りてきた。

 スラックスに暖かそうな白のリブ編みカーディガンという飾らないファッションは、三日前のバーで見たスーツ姿とまた印象が違って柔らかく、優しかったお兄ちゃんを思い出させる。
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