和霊
葬儀が終わって、僕はそのまま実家で暮らすことになった。そのことを、彼女は今も知らない。彼女は僕に連絡をしてこなかったし、僕も連絡をしなかった。
それから2カ月が経ち、僕は本格的に引きこもり、うつ病になった。ベッドから起き上がれない毎日が続き、あんなに書いていた小説も書けなくなった。W杯はもうすぐ静かに終わろうとしている。梅雨が明け、夏の暑さが、カーテンを閉め切った部屋の中にまで告げてきた。
宇和島市のある四国が梅雨明けを発表したのは、今日だ。僕は四国というワードで、彼女のことを思い出し、再び小説を書くことに決めた。やはり書いては消して、書いては消してを繰り返し、なんとか紡いだ。彼女は今も、変わらず絵を描いているのだろうか。
今日という日を忘れない。明日も元気に生きていこう。絶望はしない。僕はうつ病であっても、僕だ。