夜明けが世界を染めるころ
もう冷め切った紅茶を、一口飲んだから口を開く。
「ねぇ、昔私のお世話をしてくれていたナタリーさん、覚えてる?」
「ええ、もちろんです」
ユウリはすぐに頷いた。
「ナタリーさんなら……何か、知っていることはないかな」
研究者でも、共犯者でもない。
ただ――私の身の回りの世話をしていた人。
それでも、長くこの屋敷に仕えてきた人物だった。
けれど彼女は、もう80近い年齢だと聞いている。
最近は記憶も曖昧で、同じ話を何度も繰り返すことがある、と。
正直に言えば、
何か決定的な情報を持っている可能性は、きっと高くない。
それでも――
会いに行く理由は、一つしかなかった。
母を、
「研究資料」や「死亡記録」としてではなく。
ひとりの女性として、
確かに生きていた“人間”として知っているかもしれない。
「ねぇ、昔私のお世話をしてくれていたナタリーさん、覚えてる?」
「ええ、もちろんです」
ユウリはすぐに頷いた。
「ナタリーさんなら……何か、知っていることはないかな」
研究者でも、共犯者でもない。
ただ――私の身の回りの世話をしていた人。
それでも、長くこの屋敷に仕えてきた人物だった。
けれど彼女は、もう80近い年齢だと聞いている。
最近は記憶も曖昧で、同じ話を何度も繰り返すことがある、と。
正直に言えば、
何か決定的な情報を持っている可能性は、きっと高くない。
それでも――
会いに行く理由は、一つしかなかった。
母を、
「研究資料」や「死亡記録」としてではなく。
ひとりの女性として、
確かに生きていた“人間”として知っているかもしれない。