夜明けが世界を染めるころ
朝食を用意してくれているとのことで、私たちは揃って席についた。
昨夜のあれこれが頭をよぎるが、とりあえず今は朝だ。朝食だ。現実を生きよう。
「おはよう。みんな、よく眠れたかな」
殿下が一人ひとりの顔を見ながら、穏やかに声をかける。
……この爽やかさである。昨夜の混乱の中心人物とは思えない。
「はい、昨晩は寝てしまって申し訳ありませんでした」
トワがぺこりと綺麗に頭を下げる。
この礼儀正しさ、見習いたい。主に昨日の自分が。
「いいんだよ。こちらも色々トラブルがあって、迷惑をかけたからね。気にしないでおくれ」
そう言って優しく微笑む殿下を見て、トワは明らかにホッとした表情になる。
朝食が運ばれ、全員で食べ終える。
フレンチトーストが、もう、びっくりするくらい美味しかった。
外はカリッ、中はふわっ。
(今度レオに作ってもらおう。無理って言われたら殿下にレシピって言おう)
満足感に浸っていると、ユウリがすっと立ち上がった。
「殿下、昨夜はお嬢様が大変失礼いたしました」
深々と頭を下げるユウリ。
その後ろで、私も反射的に頭を下げる。
「いいや、こちらこそワインを飲ませてしまって申し訳なかったね。
それに、デホラの件でも迷惑をかけた」
殿下は申し訳なさそうに言うが、いやいや、ワインは自分で飲みました。
しかも勢いよく。
「いえ、殿下にお怪我がなくて何よりです。
それよりも……」
ユウリが、すっと顔を上げる。
「お嬢様に、手を出していないでしょうね」
ジロリ。
……いや、ちょっと待ってユウリ?
その睨み方、完全に執事じゃなくて取り締まり官。
(ないないないない!!)
殿下は殿下だよ!?
選び放題の殿下が、酔っ払いの私に何かするわけ――
……いや、ちょっと待て。
昨夜の記憶があいまいな私が一番信用ならないのでは?
私は内心で一人ツッコミを炸裂させながら、全力で首を横に振った。
いやほんと、ユウリ。
それはさすがに、ないって。
昨夜のあれこれが頭をよぎるが、とりあえず今は朝だ。朝食だ。現実を生きよう。
「おはよう。みんな、よく眠れたかな」
殿下が一人ひとりの顔を見ながら、穏やかに声をかける。
……この爽やかさである。昨夜の混乱の中心人物とは思えない。
「はい、昨晩は寝てしまって申し訳ありませんでした」
トワがぺこりと綺麗に頭を下げる。
この礼儀正しさ、見習いたい。主に昨日の自分が。
「いいんだよ。こちらも色々トラブルがあって、迷惑をかけたからね。気にしないでおくれ」
そう言って優しく微笑む殿下を見て、トワは明らかにホッとした表情になる。
朝食が運ばれ、全員で食べ終える。
フレンチトーストが、もう、びっくりするくらい美味しかった。
外はカリッ、中はふわっ。
(今度レオに作ってもらおう。無理って言われたら殿下にレシピって言おう)
満足感に浸っていると、ユウリがすっと立ち上がった。
「殿下、昨夜はお嬢様が大変失礼いたしました」
深々と頭を下げるユウリ。
その後ろで、私も反射的に頭を下げる。
「いいや、こちらこそワインを飲ませてしまって申し訳なかったね。
それに、デホラの件でも迷惑をかけた」
殿下は申し訳なさそうに言うが、いやいや、ワインは自分で飲みました。
しかも勢いよく。
「いえ、殿下にお怪我がなくて何よりです。
それよりも……」
ユウリが、すっと顔を上げる。
「お嬢様に、手を出していないでしょうね」
ジロリ。
……いや、ちょっと待ってユウリ?
その睨み方、完全に執事じゃなくて取り締まり官。
(ないないないない!!)
殿下は殿下だよ!?
選び放題の殿下が、酔っ払いの私に何かするわけ――
……いや、ちょっと待て。
昨夜の記憶があいまいな私が一番信用ならないのでは?
私は内心で一人ツッコミを炸裂させながら、全力で首を横に振った。
いやほんと、ユウリ。
それはさすがに、ないって。