夜明けが世界を染めるころ
ティアナside
殿下の声が、夜に落ちた。
「約束する」
その一言のあと、空気がふっと緩んだのがわかった。
セナの広い背中がみえる。
ここで黙ったまま下がったら、きっと後悔する。
私は一歩、踏み出した。
「……待って」
自分でも驚くほど、声は落ち着いていた。
2人が振り返る。
セナの目がわずかに見開かれ、殿下の視線が私を捉える。
「……聞いてたのか」
セナの問いに、私は頷いた。
「全部じゃないけど、でも、十分よ」
本当は、胸が少し痛かった。
“駒じゃない”と言ってくれたことも、
“私が傷ついたら殿下を斬る”という覚悟も。
私はこの人にずっと守られてきた。
彼を諦めさせたはずだ。そのための決闘だった…
だけどら彼は私の見えないところでもまだ守ろうとしてくれてる。
「セナが怒るのも、心配するのも、当然だと思う」
私はまず、セナを見る。
「勝手に決められるのは、私も嫌。それは、本音」
それから、殿下へと視線を移す。
「でもね。今回のこと――私は、間違っていないと思う」
自分でも、少し強い言い方だと思った。
けれど、引かなかった。
「宝石に飲まれかけていた人たちを放っておいたら、もっと犠牲が出ていた」
煙の向こうで見た、虚ろな目。
宝石の光に呑まれかけた人たちの姿が、脳裏に浮かぶ。
「綺麗事だけじゃ、救えないこともある。
今日、それをはっきり見た」
私は、一歩前に出た。
殿下の隣でも、セナの後ろでもない場所。
「もうとっくに戦う覚悟をしたつもりだったの。
でもその考えが甘かったってきづいた」
拳を、きゅっと握る。
誰かの悪意で傷ついた人達の顔が浮かぶ。
殿下の目が、ほんの少し揺れるのがわかった。
「剣を振るう、って意味だけじゃない。
選ぶことも、責任を持つことも、全部含めて。」
私は、セナを見る。
「セナあなたが心配してくれてるの、ちゃんとわかってる。怒ってくれて嬉しかった」
だからこそ――
「大丈夫。私は、自分で選ぶ」
殿下へ、まっすぐに言う。
「共犯にでもなるし共闘もする」
言い切った瞬間、胸の奥がすっと静かになった。
「中途半端な覚悟で言ってるわけじゃない。
殿下が背負う覚悟を見たから……私も背負うって決めた」
沈黙。
最初に息を吐いたのは、セナだった。
「……本当に、止められないな」
その声に、少しだけ笑ってしまう。
殿下は、深く一礼した。
「選んでくれて、ありがとう。
君を“駒”として扱うことは、二度としない」
「ええ」
私は頷く。
「その代わり――」
一拍、置いて。
「同じ場所に立たせてください」
夜風が、3人の間を通り抜けた。
守る人。
守られる人。
そして、共に背負う人。
その境界線が、今、確かに塗り替えられた。
――選んで、立つ。仲間とともに…
殿下の声が、夜に落ちた。
「約束する」
その一言のあと、空気がふっと緩んだのがわかった。
セナの広い背中がみえる。
ここで黙ったまま下がったら、きっと後悔する。
私は一歩、踏み出した。
「……待って」
自分でも驚くほど、声は落ち着いていた。
2人が振り返る。
セナの目がわずかに見開かれ、殿下の視線が私を捉える。
「……聞いてたのか」
セナの問いに、私は頷いた。
「全部じゃないけど、でも、十分よ」
本当は、胸が少し痛かった。
“駒じゃない”と言ってくれたことも、
“私が傷ついたら殿下を斬る”という覚悟も。
私はこの人にずっと守られてきた。
彼を諦めさせたはずだ。そのための決闘だった…
だけどら彼は私の見えないところでもまだ守ろうとしてくれてる。
「セナが怒るのも、心配するのも、当然だと思う」
私はまず、セナを見る。
「勝手に決められるのは、私も嫌。それは、本音」
それから、殿下へと視線を移す。
「でもね。今回のこと――私は、間違っていないと思う」
自分でも、少し強い言い方だと思った。
けれど、引かなかった。
「宝石に飲まれかけていた人たちを放っておいたら、もっと犠牲が出ていた」
煙の向こうで見た、虚ろな目。
宝石の光に呑まれかけた人たちの姿が、脳裏に浮かぶ。
「綺麗事だけじゃ、救えないこともある。
今日、それをはっきり見た」
私は、一歩前に出た。
殿下の隣でも、セナの後ろでもない場所。
「もうとっくに戦う覚悟をしたつもりだったの。
でもその考えが甘かったってきづいた」
拳を、きゅっと握る。
誰かの悪意で傷ついた人達の顔が浮かぶ。
殿下の目が、ほんの少し揺れるのがわかった。
「剣を振るう、って意味だけじゃない。
選ぶことも、責任を持つことも、全部含めて。」
私は、セナを見る。
「セナあなたが心配してくれてるの、ちゃんとわかってる。怒ってくれて嬉しかった」
だからこそ――
「大丈夫。私は、自分で選ぶ」
殿下へ、まっすぐに言う。
「共犯にでもなるし共闘もする」
言い切った瞬間、胸の奥がすっと静かになった。
「中途半端な覚悟で言ってるわけじゃない。
殿下が背負う覚悟を見たから……私も背負うって決めた」
沈黙。
最初に息を吐いたのは、セナだった。
「……本当に、止められないな」
その声に、少しだけ笑ってしまう。
殿下は、深く一礼した。
「選んでくれて、ありがとう。
君を“駒”として扱うことは、二度としない」
「ええ」
私は頷く。
「その代わり――」
一拍、置いて。
「同じ場所に立たせてください」
夜風が、3人の間を通り抜けた。
守る人。
守られる人。
そして、共に背負う人。
その境界線が、今、確かに塗り替えられた。
――選んで、立つ。仲間とともに…