夜明けが世界を染めるころ
……どれくらい眠っていたのだろう。
ふと目を開けると、
控えめなノックの音がした。
「お嬢様、少しは眠れた?」
「……レオ?」
顔を覗かせたのは、
にこにことしたレオだった。
「うん。
何か食べた方がいいと思ってさ」
そう言って、
湯気の立つ器を掲げる。
「卵粥、持ってきたけど……食べられそう?」
「うん……たぶん」
「よし!」
ぱっと表情を明るくする。
「風邪ひいたときは体力つけないとな!
あったまるぞー!」
「……ありがとう」
そう言うと、
レオは当然のようにスプーンを手に取った。
「はい、あーん」
「……え?」
一瞬、固まる。
「食べさせるよ! 俺!」
やけにノリノリだ。
……えっと。
少し迷ってから、
控えめに口を開ける。
「あ、あーん……」
スプーンが口に運ばれる。
……ん。
「……おいしい」
「だろ?」
得意げに笑う。
「どう?
もう少し食べられそう?」
「うん……」
返事をした瞬間、
はっとする。
……もしかして。
「……まさか、全部?」
「ん?」
レオが、きょとんと目を丸くする。
「あの、レオ……
自分で食べられるから」
「そうか?」
少し残念そうに言いながらも、
スプーンを渡してくれた。
その後は、
レオにじっと見守られながら、
ゆっくりと卵粥を食べる。
……視線が、近い。
でも、
その目には、
ただの心配と優しさしかなくて。
不思議と、
居心地は悪くなかった。
「えらいな!
全部、食べられたな!」
そう言って、
レオの大きな手が、ぽん、と私の頭に乗る。
……重い。
「レオ……
なんだか、子ども扱いしてない?」
むっとしてそう言うと、
レオは少しだけ目を丸くしてから、
あはは、と笑った。
「だってさ、
具合悪いときは、みんな子どもでいいんだよ」
そう言って、
もう一度、やさしく頭を撫でる。
……ずるい。
反論しようと思ったのに、
不思議と力が抜けてしまう。
「それに」
レオは少し声を落として、
続けた。
「お嬢さんはさ、
いつも頑張りすぎるからさ」
「だから、
こういうときくらい、
甘えていいんだ」
その言葉に、
胸の奥が、少しだけ温かくなる。
「……ありがとう」
小さくそう言うと、
レオは照れたように視線を逸らした。
「お、おう。
じゃあ、俺はそろそろ行くな」
器を持って立ち上がり、
ドアへ向かう。
その背中が、
やけに頼もしく見えた。
ふと目を開けると、
控えめなノックの音がした。
「お嬢様、少しは眠れた?」
「……レオ?」
顔を覗かせたのは、
にこにことしたレオだった。
「うん。
何か食べた方がいいと思ってさ」
そう言って、
湯気の立つ器を掲げる。
「卵粥、持ってきたけど……食べられそう?」
「うん……たぶん」
「よし!」
ぱっと表情を明るくする。
「風邪ひいたときは体力つけないとな!
あったまるぞー!」
「……ありがとう」
そう言うと、
レオは当然のようにスプーンを手に取った。
「はい、あーん」
「……え?」
一瞬、固まる。
「食べさせるよ! 俺!」
やけにノリノリだ。
……えっと。
少し迷ってから、
控えめに口を開ける。
「あ、あーん……」
スプーンが口に運ばれる。
……ん。
「……おいしい」
「だろ?」
得意げに笑う。
「どう?
もう少し食べられそう?」
「うん……」
返事をした瞬間、
はっとする。
……もしかして。
「……まさか、全部?」
「ん?」
レオが、きょとんと目を丸くする。
「あの、レオ……
自分で食べられるから」
「そうか?」
少し残念そうに言いながらも、
スプーンを渡してくれた。
その後は、
レオにじっと見守られながら、
ゆっくりと卵粥を食べる。
……視線が、近い。
でも、
その目には、
ただの心配と優しさしかなくて。
不思議と、
居心地は悪くなかった。
「えらいな!
全部、食べられたな!」
そう言って、
レオの大きな手が、ぽん、と私の頭に乗る。
……重い。
「レオ……
なんだか、子ども扱いしてない?」
むっとしてそう言うと、
レオは少しだけ目を丸くしてから、
あはは、と笑った。
「だってさ、
具合悪いときは、みんな子どもでいいんだよ」
そう言って、
もう一度、やさしく頭を撫でる。
……ずるい。
反論しようと思ったのに、
不思議と力が抜けてしまう。
「それに」
レオは少し声を落として、
続けた。
「お嬢さんはさ、
いつも頑張りすぎるからさ」
「だから、
こういうときくらい、
甘えていいんだ」
その言葉に、
胸の奥が、少しだけ温かくなる。
「……ありがとう」
小さくそう言うと、
レオは照れたように視線を逸らした。
「お、おう。
じゃあ、俺はそろそろ行くな」
器を持って立ち上がり、
ドアへ向かう。
その背中が、
やけに頼もしく見えた。