夜明けが世界を染めるころ
セナが部屋を出ていったあと、
少しだけ、胸が静かになった。
代わるように――
ユウリとアリスが、交代で看病に入ってくれた。
「お嬢様、少し失礼しますね」
アリスはそう言って、
濡れた布で、そっと額や首元の汗を拭いてくれる。
「……気持ちいいですか?」
「うん……」
熱でぼんやりしながら、
素直に頷く。
「汗、かいてますから。
着替えましょうね」
慣れた手つきで、
身体を支え、服を替えてくれる。
その仕草があまりにも自然で、
胸の奥が、じんわりと温かくなった。
そのあと、
扉の向こうが少し騒がしくなる。
「お嬢様大丈夫ですかー?」
「無理すんなよー」
アレンとロベルトの声。
扉を小さく開けた隙間から
手を振っているのがわかる。
「見舞いは禁止って、
ユウリさんに追い返されまして」
「でも、心配してるからな!」
思わず、
小さく手を振り返す。
しばらくして、
ユウリが戻ってきた。
「お嬢様、こちらを」
差し出されたのは、
小さな包みと、短い手紙。
「レイさんからです。
“お大事になってください”と」
包みを開くと、白磁のように淡く透き通ったのど飴、
ほのかに、蜂蜜と銀葉ミントの香りが漂った
「直接来るのは控えた方がいいだろう、
とのことでした」
「……レイさんらしいね」
そう呟き、私はのど飴を口に入れる。
蜂蜜の甘さとミントの爽やかが口に広がる。おいしい。
ユウリは静かに微笑む。
「皆様、
お嬢様のことを本当に案じておられます」
「それに――」
少しだけ、
声を柔らかくして。
「それだけ、
大切にされているということです」
……熱のせいか、
胸が、じんとする。
迷惑ばかりかけているはずなのに。
それでも、
こんなにも想われている。
まぶたが、
重くなってきた。
「……ユウリ」
「はい」
「ありがとう」
「こちらこそ」
静かに毛布を整えられ、
意識が、また深く沈んでいく。
眠りに落ちる直前、
こんな思ってくれる仲間がいて幸せだなと思う。
少しだけ、胸が静かになった。
代わるように――
ユウリとアリスが、交代で看病に入ってくれた。
「お嬢様、少し失礼しますね」
アリスはそう言って、
濡れた布で、そっと額や首元の汗を拭いてくれる。
「……気持ちいいですか?」
「うん……」
熱でぼんやりしながら、
素直に頷く。
「汗、かいてますから。
着替えましょうね」
慣れた手つきで、
身体を支え、服を替えてくれる。
その仕草があまりにも自然で、
胸の奥が、じんわりと温かくなった。
そのあと、
扉の向こうが少し騒がしくなる。
「お嬢様大丈夫ですかー?」
「無理すんなよー」
アレンとロベルトの声。
扉を小さく開けた隙間から
手を振っているのがわかる。
「見舞いは禁止って、
ユウリさんに追い返されまして」
「でも、心配してるからな!」
思わず、
小さく手を振り返す。
しばらくして、
ユウリが戻ってきた。
「お嬢様、こちらを」
差し出されたのは、
小さな包みと、短い手紙。
「レイさんからです。
“お大事になってください”と」
包みを開くと、白磁のように淡く透き通ったのど飴、
ほのかに、蜂蜜と銀葉ミントの香りが漂った
「直接来るのは控えた方がいいだろう、
とのことでした」
「……レイさんらしいね」
そう呟き、私はのど飴を口に入れる。
蜂蜜の甘さとミントの爽やかが口に広がる。おいしい。
ユウリは静かに微笑む。
「皆様、
お嬢様のことを本当に案じておられます」
「それに――」
少しだけ、
声を柔らかくして。
「それだけ、
大切にされているということです」
……熱のせいか、
胸が、じんとする。
迷惑ばかりかけているはずなのに。
それでも、
こんなにも想われている。
まぶたが、
重くなってきた。
「……ユウリ」
「はい」
「ありがとう」
「こちらこそ」
静かに毛布を整えられ、
意識が、また深く沈んでいく。
眠りに落ちる直前、
こんな思ってくれる仲間がいて幸せだなと思う。