夜明けが世界を染めるころ
闇に紛れて走り続けると、視界に低くうごめく影が近づく。
ガイル側の使者だ。数は少ないとはいえ、こちらは2人だけ。

「セナここで止めるよ!」
私はセナの肩越しに声をかける。
セナは頷き、腰に手をやり構える。

「我が剣に従え アクアマリン」
氷の魔法剣が淡い青白い光を放ち、夜の闇に輪郭を描く。

影が一気に飛びかかる。刃と魔力の閃光が交錯し、夜の闇を裂く。

「蒼き風よ、導け ラピスラズリ」
私は力強く風の魔法を刀身に纏わせた。光と風が刃先を包み、共鳴の力を指先に集中する。
温かな振動が体を駆け巡り、セナの動きに微かな滑らかさと力強さを与える。

「――今よ!」
セナは素早く敵を斜めにかわし、氷の剣で相手の腕を凍らせつつ蹴りで制する。
同時に、私は風の刃を一閃させ、共鳴の力で攻撃の反動を増幅。光と風の刃が敵を押し返す。
敵の刃は弾かれ、暗闇に金属音と氷が砕ける音が響く。

「お嬢さま、左!」
セナの警告が鋭く飛ぶ。
振り返る間もなく、もう一人が斜めに飛びかかる。
私は身を捻り、共鳴を防御に切り替える。
風の刃が空気を巻き上げ、光の盾のように衝撃を受け止め、セナの氷の剣と重なって敵の進路を封鎖する。

「……大丈夫、来て!」
私の声に合わせ、セナが前方の敵を氷の蹴りで凍らせながら吹き飛ばす。
刃と氷、風の力、そして共鳴の振動――3つの力が交わることで、闇の中でも動きが自然に合致する。

「まだ増えてきますね」
セナの声も冷静だが、そこに熱が宿る。
氷の魔宝剣の刃先が青白く光り、風の魔宝剣が周囲の空気を渦巻かせる。
2人の共鳴は微かに振動となって互いの動きを伝え、どんな攻撃も無駄なく交わされる。


「セナ、次は右!」
私は指先で共鳴を剣に流し込み、力を前方の敵に集中させる。
セナは氷の剣を回転させ、吹き飛ばした敵を確実に封じる。
風の刃と氷の刃が交錯し、共鳴の光が微かに2人を包む。呼吸を合わせ、攻撃は完璧に敵を捉える。
< 398 / 508 >

この作品をシェア

pagetop