夜明けが世界を染めるころ
テオside
夜の闇が濃く、吐く息が白くなり始める頃。
俺は剣を握り直し、鋭く周囲を見渡していた。
敵の数は多い。
だが、立ち止まる余裕はなかった。
斬撃と魔法の閃光が夜を裂き、
足音と叫び声が入り混じる。
「アレン!右!」
「はい!」
「ルイ、援護して!」
「わかったわ!」
声を掛け合いながら、分散した敵を一体ずつ削る。
迷えば死ぬ。
だから考えるな、動け。
彼の剣は正確だった。
仲間の動きを読み、隙を作り、道を開く。
――セナと、お嬢さまを逃がすため。
その一点だけが、俺たちを前へ押し出していた。
戦闘は熾烈だった。
腕が痺れ、呼吸が焼ける。
それでも、不思議と倒れなかった。
その理由は、すぐに分かった。
(……魔力の流れ、変わってる)
空気の奥で、何かが脈打っている。
風に混じる、柔らかく温かい感覚。
(これ……お嬢さまの共鳴か)
胸の奥が、熱を帯びる。
(ほんとすごいな……)
ついこの前、力を知ったばかりなのに。
それを恐れず、誰かを救うために使えるなんて。
――ほんとかっこよすぎる。
次々と倒れる敵。
最後の一体が霧散した瞬間、戦場に静寂が落ちた。
「……終わったか」
剣先から血を振り払い、息を整える。
「こっちも終わったぞ!」
「ええ」
レオが手を振り、ルイも頷く。
ロベルトがその場に腰を落とす。
「さすがに……きついです……」
アレンも座り込み、額の汗を拭った。
俺もようやく肩の力を抜く。
――なのに。
胸の奥のざわめきだけが、消えなかった。
(……遅い)
戦闘が終わったなら、
もう合流してもいいはずなのに。
「……2人は、無事か?」
思わず漏れた声。
湖の方角へ視線を向ける。
夜明け前の薄明かりが、水面を淡く染めていた。
その光の中に、
2つの影を探す。
嫌な予感を、振り払うように。
――どうか、無事でいてくれ。
夜の闇が濃く、吐く息が白くなり始める頃。
俺は剣を握り直し、鋭く周囲を見渡していた。
敵の数は多い。
だが、立ち止まる余裕はなかった。
斬撃と魔法の閃光が夜を裂き、
足音と叫び声が入り混じる。
「アレン!右!」
「はい!」
「ルイ、援護して!」
「わかったわ!」
声を掛け合いながら、分散した敵を一体ずつ削る。
迷えば死ぬ。
だから考えるな、動け。
彼の剣は正確だった。
仲間の動きを読み、隙を作り、道を開く。
――セナと、お嬢さまを逃がすため。
その一点だけが、俺たちを前へ押し出していた。
戦闘は熾烈だった。
腕が痺れ、呼吸が焼ける。
それでも、不思議と倒れなかった。
その理由は、すぐに分かった。
(……魔力の流れ、変わってる)
空気の奥で、何かが脈打っている。
風に混じる、柔らかく温かい感覚。
(これ……お嬢さまの共鳴か)
胸の奥が、熱を帯びる。
(ほんとすごいな……)
ついこの前、力を知ったばかりなのに。
それを恐れず、誰かを救うために使えるなんて。
――ほんとかっこよすぎる。
次々と倒れる敵。
最後の一体が霧散した瞬間、戦場に静寂が落ちた。
「……終わったか」
剣先から血を振り払い、息を整える。
「こっちも終わったぞ!」
「ええ」
レオが手を振り、ルイも頷く。
ロベルトがその場に腰を落とす。
「さすがに……きついです……」
アレンも座り込み、額の汗を拭った。
俺もようやく肩の力を抜く。
――なのに。
胸の奥のざわめきだけが、消えなかった。
(……遅い)
戦闘が終わったなら、
もう合流してもいいはずなのに。
「……2人は、無事か?」
思わず漏れた声。
湖の方角へ視線を向ける。
夜明け前の薄明かりが、水面を淡く染めていた。
その光の中に、
2つの影を探す。
嫌な予感を、振り払うように。
――どうか、無事でいてくれ。