夜明けが世界を染めるころ
……眩しい。
まぶたの裏が、白く焼けるみたいだった。
息を吸うと、胸が少し痛む。
――生きてる?
ぼんやりとそう思った、その時。
視界の端が、滲んだ。
「……ティアナ……?」
声が、かすれる。
自分でも驚くほど、弱々しい声だった。
すぐ近くに、顔があった。
見慣れたスミレ色と桃色の夜明けの空みたいに綺麗な髪。
伏せられた睫毛の先から、ぽたり、と何かが落ちる。
……涙。
「……泣いて、る……?」
問いかけたつもりだったけど、
それはほとんど、息だった。
ティアナは一瞬、動きを止めて。
それから、ぎゅっと唇を噛みしめる。
「……ばか……」
震えた声。
「ほんとに……ばか……」
そのまま、ぽろぽろと涙が落ちてくる。
俺の胸に、頬に、温かい滴が触れる。
――ああ。
そうか。
俺、戻ってきたんだ。
「……ごめん……」
反射みたいに、そう言っていた。
泣かせるつもりなんて、なかった。
守るって決めてたのに。
ゆっくり、指先に力を入れる。
まだ感覚は鈍いけど、確かにそこにある。
そっと、彼女の袖を掴む。
「……ティアナ……」
名前を呼ぶと、
彼女の肩が小さく跳ねた。
「……ちゃんと、いる……」
生きてる。
ここにいる。
そう伝えたかった。
ティアナは、堪えていた何かが切れたみたいに、
俺の胸元に顔を埋める。
「……よかった……」
か細い声。
「……ほんとに……よかった……。
ばかは、わたしなのに。油断してセナを危険にさらした。
ごめん…なさい。」
俺は、ゆっくりと腕を上げて、
彼女の背中に回す。
抱きしめるには、まだ力が足りない。
それでも、逃がさないように。
「……ティアナは悪くない。心配、かけたな」
小さく笑おうとして、うまくいかなかった。
でも。
涙で濡れた彼女の髪は、
生きてる証みたいに温かかった。
――戻ってきて、よかった。
心の底から、そう思った。
まぶたの裏が、白く焼けるみたいだった。
息を吸うと、胸が少し痛む。
――生きてる?
ぼんやりとそう思った、その時。
視界の端が、滲んだ。
「……ティアナ……?」
声が、かすれる。
自分でも驚くほど、弱々しい声だった。
すぐ近くに、顔があった。
見慣れたスミレ色と桃色の夜明けの空みたいに綺麗な髪。
伏せられた睫毛の先から、ぽたり、と何かが落ちる。
……涙。
「……泣いて、る……?」
問いかけたつもりだったけど、
それはほとんど、息だった。
ティアナは一瞬、動きを止めて。
それから、ぎゅっと唇を噛みしめる。
「……ばか……」
震えた声。
「ほんとに……ばか……」
そのまま、ぽろぽろと涙が落ちてくる。
俺の胸に、頬に、温かい滴が触れる。
――ああ。
そうか。
俺、戻ってきたんだ。
「……ごめん……」
反射みたいに、そう言っていた。
泣かせるつもりなんて、なかった。
守るって決めてたのに。
ゆっくり、指先に力を入れる。
まだ感覚は鈍いけど、確かにそこにある。
そっと、彼女の袖を掴む。
「……ティアナ……」
名前を呼ぶと、
彼女の肩が小さく跳ねた。
「……ちゃんと、いる……」
生きてる。
ここにいる。
そう伝えたかった。
ティアナは、堪えていた何かが切れたみたいに、
俺の胸元に顔を埋める。
「……よかった……」
か細い声。
「……ほんとに……よかった……。
ばかは、わたしなのに。油断してセナを危険にさらした。
ごめん…なさい。」
俺は、ゆっくりと腕を上げて、
彼女の背中に回す。
抱きしめるには、まだ力が足りない。
それでも、逃がさないように。
「……ティアナは悪くない。心配、かけたな」
小さく笑おうとして、うまくいかなかった。
でも。
涙で濡れた彼女の髪は、
生きてる証みたいに温かかった。
――戻ってきて、よかった。
心の底から、そう思った。