夜明けが世界を染めるころ
残されたのは――
暴走した被験者と、3人。
「……行ったな」
ロベルトが剣を構え直す。
「あとは俺たちの仕事だ」
セナが被験者の宝石を見つめる。
さらに赤黒く膨張している。
「完全に侵食されてる……」
アレンが歯を食いしばった。
「なら、迷う必要はない」
セナが一歩前に出る。
「――我が剣に従え、アクアマリン」
淡い蒼光が剣身を包み込んだ。
冷静で澄んだ波の魔力が、周囲に満ちる。
荒れ狂う魔力の流れが、わずかに鎮まった。
「アレン、動きを削れ」
「了解!」
「ロベルト、防御を頼む」
「任せろ」
3人は無言のまま散開する。
次の瞬間――
暴走した被験者が、獣のような動きで跳躍した。
「来るぞ!」
「加速する、トパーズ!」
アレンの剣が黄色の稲妻を帯びる。
一瞬で距離を詰め、閃光のように足元を斬り裂いた。
「ぐ、ぁ――!」
体勢を崩した刹那。
「支える力を――スモーキークォーツ!」
ロベルトの剣が茶色の光を放つ。
床が軋み、岩の腕がせり上がり、
被験者の身体を強く拘束した。
「今だ、セナ!」
セナは深く踏み込み――
「眠れ。守るために」
刃先が、宝石の核だけを正確に貫く。
――パキン。
乾いた破砕音。
深紅の結晶が砕け散り、
黒い霧となって霧散した。
被験者の身体が、力なく床へと崩れ落ちる。
「……呼吸あり」
ロベルトが即座に脈を確認する。
「ギリギリでしたね」
アレンが大きく息を吐いた。
「だが、生きてる」
セナは剣を収める。
「王国騎士団が来ていなければ、被害が出ていた」
通路の奥から、オーウェン団長の声が響いた。
「こちらで避難は完了しました。
これ以上の被験者はありません!」
セナは通信具を取り出す。
「こちらセナ班。
避難完了。暴走個体、鎮圧済み」
一拍置いて――
通信石の向こうから、ディランの声。
『よくやった』
だが、その声音には、はっきりとした緊張が混じっていた。
『中央装置が、まもなく完全起動する』
セナは目を伏せ、短く答える。
「……了解です」
3人は同時に、研究区画の奥を見据えた。
赤黒い魔力が、
さらに深部から不気味に脈打っている。
戦いは、まだ終わっていなかった。
――むしろ、これからが本番だった。
暴走した被験者と、3人。
「……行ったな」
ロベルトが剣を構え直す。
「あとは俺たちの仕事だ」
セナが被験者の宝石を見つめる。
さらに赤黒く膨張している。
「完全に侵食されてる……」
アレンが歯を食いしばった。
「なら、迷う必要はない」
セナが一歩前に出る。
「――我が剣に従え、アクアマリン」
淡い蒼光が剣身を包み込んだ。
冷静で澄んだ波の魔力が、周囲に満ちる。
荒れ狂う魔力の流れが、わずかに鎮まった。
「アレン、動きを削れ」
「了解!」
「ロベルト、防御を頼む」
「任せろ」
3人は無言のまま散開する。
次の瞬間――
暴走した被験者が、獣のような動きで跳躍した。
「来るぞ!」
「加速する、トパーズ!」
アレンの剣が黄色の稲妻を帯びる。
一瞬で距離を詰め、閃光のように足元を斬り裂いた。
「ぐ、ぁ――!」
体勢を崩した刹那。
「支える力を――スモーキークォーツ!」
ロベルトの剣が茶色の光を放つ。
床が軋み、岩の腕がせり上がり、
被験者の身体を強く拘束した。
「今だ、セナ!」
セナは深く踏み込み――
「眠れ。守るために」
刃先が、宝石の核だけを正確に貫く。
――パキン。
乾いた破砕音。
深紅の結晶が砕け散り、
黒い霧となって霧散した。
被験者の身体が、力なく床へと崩れ落ちる。
「……呼吸あり」
ロベルトが即座に脈を確認する。
「ギリギリでしたね」
アレンが大きく息を吐いた。
「だが、生きてる」
セナは剣を収める。
「王国騎士団が来ていなければ、被害が出ていた」
通路の奥から、オーウェン団長の声が響いた。
「こちらで避難は完了しました。
これ以上の被験者はありません!」
セナは通信具を取り出す。
「こちらセナ班。
避難完了。暴走個体、鎮圧済み」
一拍置いて――
通信石の向こうから、ディランの声。
『よくやった』
だが、その声音には、はっきりとした緊張が混じっていた。
『中央装置が、まもなく完全起動する』
セナは目を伏せ、短く答える。
「……了解です」
3人は同時に、研究区画の奥を見据えた。
赤黒い魔力が、
さらに深部から不気味に脈打っている。
戦いは、まだ終わっていなかった。
――むしろ、これからが本番だった。