夜明けが世界を染めるころ
――ふと、視線を感じた。
なんとなく嫌な予感がして、そちらを見る。
会場の向こう。
人垣の間に立つディランが、こちらを見ていた。
……笑っている。
けれど、その笑みは――
怖いくらいに、整いすぎていた。
「……見られていたようですね」
隣で、セナが淡々と呟く。
「なにか言ってない?」
視線を戻すと、ディランの唇が、ゆっくりと動いた。
――口パク?
「……は。な。れ。ろ?」
「俺に向けて、ですね」
セナは相変わらず平然としている。
「……私は、少し外の空気でも吸ってくることにするよ」
再び目を向けると、
ディランの笑顔は、さらに深くなっていた。
――怖い。
私はしれっと背中を向け、
できるだけ自然を装いながら、足早にその場を離れる。
そして逃げ込むように、テラスへと向かった。
夜風が、やけに冷たかった。
なんとなく嫌な予感がして、そちらを見る。
会場の向こう。
人垣の間に立つディランが、こちらを見ていた。
……笑っている。
けれど、その笑みは――
怖いくらいに、整いすぎていた。
「……見られていたようですね」
隣で、セナが淡々と呟く。
「なにか言ってない?」
視線を戻すと、ディランの唇が、ゆっくりと動いた。
――口パク?
「……は。な。れ。ろ?」
「俺に向けて、ですね」
セナは相変わらず平然としている。
「……私は、少し外の空気でも吸ってくることにするよ」
再び目を向けると、
ディランの笑顔は、さらに深くなっていた。
――怖い。
私はしれっと背中を向け、
できるだけ自然を装いながら、足早にその場を離れる。
そして逃げ込むように、テラスへと向かった。
夜風が、やけに冷たかった。