余命2ヵ月のわたしを愛した死神
(あ、あのベッドで、今日から···雨城さんと、寝るの?)
そう考えて、自分の顔が火照り出すのが分かった。
しかし、自分から言い出した事だ。
恋人が同じベッドで寝る事は不思議な事ではなく、むしろ自然な事。
後悔はしていないものの、後先考えずに言ってしまった自分の大胆な発言に今更ながら穴があれば入りたい気持ちで一杯になってしまう。
それからわたしは、元々使わせて頂いていた部屋に着替えに入った。
パジャマ代わりに着ているキャラクターがついたTシャツにスウェット姿。
我ながら、何と色気の無い服装なんだろうか。
(でも、別に雨城さんを誘惑したいわけじゃないし···、いいよね?)
そう思いながら、わたしは着替えが終わると、雨城さんの寝室へ戻った。
「失礼します。」
そう言って寝室を覗くと、そこにはベッドに入り、本を読む雨城さんの姿があった。
寝室に入り、ゆっくりドアを閉めると、わたしは一歩一歩雨城さんのベッドへと歩み寄って行く。
すると雨城さんは、左側にズレてわたしが入りやすいように布団をめくってくれた。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
そしてわたしはベッドへと上がり、布団の中へと脚を入れた。
「何の本ですか?」
照れ隠しの為にわたしは、興味があるわけでもない事を問う。
雨城さんは一度本を閉じると、その表紙をわたしの方に向け、見せてくれた。
「"どうして空は泣くのか"という本です。」
「雨城さん、よく本を読まれるんですか?」
「夜、寝る前に少し読むくらいですね。」
雨城さんはそう言って、本をサイドテーブルの上に置いた。
「今日は眠れそうですか?」
雨城さんの問いに「んー···」と唸るわたしは、「どうでしょう。」と曖昧に答えて笑って見せた。
こんなにも雨城さんとの距離を近く感じた事はない。
その事に胸の鼓動が聞こえてしまいそうな程に音を立てて、わたしはそれが雨城さんに聞こえてしまわないか心配になる程だった。
「それじゃあ、眠れるまで何か話しましょうか。」
雨城さんの提案に「いいですね。」と答えるわたしは、雨城さんと共にベッドに横になり、雨城さんの方へ身体を向けた。
雨城さんも腕枕をしながら、わたしの方に身体を向け、お互いに布団の中で向き合う形となった。
「じゃあ、短い間ですが、恋人同士になるわけですから、お互いの事を話しましょうか。」
「そうですね。」
「じゃあ、まず僕から。」
雨城さんは、そう言うと自分の事をわたしに話し始めてくれた。