余命2ヵ月のわたしを愛した死神
***
8月に入り、夏が本気を出し始め照り付く太陽。
クールビズでノーネクタイな男性社員たちに、薄いブラウス姿の女性社員も多く見られる。
しかし、社内には冷房がよく効いており、暑さが仕事に支障をきたすような事はなかった。
そんなある日の午後、パソコンで資料を作成するわたしの元に「芽吹さん!芽吹さん!」と篠原さんが慌ただしく駆け寄って来た。
「あ、篠原さん。お疲れ様です。」
わたしがそう言うと、篠原さんは目を大きく見開きながら「オリオンカンパニーとの打ち合わせ!明日に決まったよ!」と言い出したのだ。
それを聞き「えっっ!!!」と大袈裟に驚いてしまったわたしだが、すぐに自分の大袈裟さに気付き、思わず手で口を押さえる。
"オリオンカンパニー"は、わたしの前職場だ。
その社名を聞くと嫌な思い出ばかりが思い浮かぶが、その憂さを晴らすべく、篠原さんに背中を押していただき意を決して、"オリオンカンパニー"の担当へとなる為に引き継ぎを行なっている途中だった。
「あ、明日ですか?!」
「うん、向こうの担当さんがね、明日がいいって。船田さんとあともう一人、真田(さなだ)さんって人が来る事になったんだけど、知ってる?」
篠原さんの言葉に「···真田さん?」と呟くわたしだが、その名前に聞き覚えはなかった。
「知らないかぁ。船田さんは、知ってるんだよね?」
「はい。わたしがリーダーになる事を反対した人なので。」
「よしよし。それじゃあ、明日は俺と一緒にオリオンカンパニーと打ち合わせをしよう。向こうの担当さんに芽吹さんを紹介したいしさ!」
いよいよ、明日···――――
覚悟は決めていたつもりだったが、いざ明日となると、やはり緊張してしまう。
わたしは、きちんと船田さんを見る事が出来るだろうか。
狼狽える事無く、真っ直ぐ前を向く事が出来るだろうか。
そんな不安から、わたしの表情が曇っている事を察した篠原さんは「芽吹さん!」とわたしの名を呼び、わたしの肩にポンッと手を置いた。
「大丈夫!芽吹さんなら大丈夫だよ。それに俺もついてるから!ねっ?」
篠原さんの温かい言葉に元気付けられたわたしは、「はい、ありがとうございます。」と強気でいけるような気がしてきていた。
8月に入り、夏が本気を出し始め照り付く太陽。
クールビズでノーネクタイな男性社員たちに、薄いブラウス姿の女性社員も多く見られる。
しかし、社内には冷房がよく効いており、暑さが仕事に支障をきたすような事はなかった。
そんなある日の午後、パソコンで資料を作成するわたしの元に「芽吹さん!芽吹さん!」と篠原さんが慌ただしく駆け寄って来た。
「あ、篠原さん。お疲れ様です。」
わたしがそう言うと、篠原さんは目を大きく見開きながら「オリオンカンパニーとの打ち合わせ!明日に決まったよ!」と言い出したのだ。
それを聞き「えっっ!!!」と大袈裟に驚いてしまったわたしだが、すぐに自分の大袈裟さに気付き、思わず手で口を押さえる。
"オリオンカンパニー"は、わたしの前職場だ。
その社名を聞くと嫌な思い出ばかりが思い浮かぶが、その憂さを晴らすべく、篠原さんに背中を押していただき意を決して、"オリオンカンパニー"の担当へとなる為に引き継ぎを行なっている途中だった。
「あ、明日ですか?!」
「うん、向こうの担当さんがね、明日がいいって。船田さんとあともう一人、真田(さなだ)さんって人が来る事になったんだけど、知ってる?」
篠原さんの言葉に「···真田さん?」と呟くわたしだが、その名前に聞き覚えはなかった。
「知らないかぁ。船田さんは、知ってるんだよね?」
「はい。わたしがリーダーになる事を反対した人なので。」
「よしよし。それじゃあ、明日は俺と一緒にオリオンカンパニーと打ち合わせをしよう。向こうの担当さんに芽吹さんを紹介したいしさ!」
いよいよ、明日···――――
覚悟は決めていたつもりだったが、いざ明日となると、やはり緊張してしまう。
わたしは、きちんと船田さんを見る事が出来るだろうか。
狼狽える事無く、真っ直ぐ前を向く事が出来るだろうか。
そんな不安から、わたしの表情が曇っている事を察した篠原さんは「芽吹さん!」とわたしの名を呼び、わたしの肩にポンッと手を置いた。
「大丈夫!芽吹さんなら大丈夫だよ。それに俺もついてるから!ねっ?」
篠原さんの温かい言葉に元気付けられたわたしは、「はい、ありがとうございます。」と強気でいけるような気がしてきていた。