余命2ヵ月のわたしを愛した死神

「んー、まぁ、ただの雑談会だったかな?」
「かなり恐怖な雑談会でしたけど。」
「そう?恐かった?」
「はい···、篠原さんの笑みがかなり恐かったです。」

そう言って、わたしは篠原さんと笑い合った。

そしてわたしは、「でも、篠原さんのお陰でスカッとしました。ありがとうございました。」と篠原さんに感謝を述べた。

「いやいや、俺は思った事言っただけだから。オブラートに包んで言うのが苦手だから、そのまま言っちゃうんだよね。」

そう言って笑う篠原さんだったが、オブラートに包まずストレートに言ってくれたのは、きっとわたしの憂さ晴らしの為だろう。
わたしはその事で篠原さんには、本当に感謝の気持ちで一杯になった。

「そういえばさ、話変わるんだけど···、芽吹さんって、彼氏いるの?」

突然の篠原さんからの質問に、口に含み掛けていたミルクティーが噴き出そうになり、わたしは慌てて口を押さえる。

そんなわたしの姿を見て、篠原さんは「大丈夫?」と笑った。

「急な質問にビックリしてしまって······」
「ごめんごめん!で、どうなの?」

篠原さんはどうしても、その質問に答えさせたいようだ。

わたしは少し迷ったが、隠すような事でも無いと思い「···いますよ?」と答えた。

すると、わたしの回答を聞いた篠原さんは「やっぱりそうだよなぁ〜!」と何故か納得した後、更に「それって、雨城課長だよね?」と訊いてきたのだ。

「えっ!な、何で、そう思うんですか?!」
「ん?だって、毎日一緒に出勤して来るし、帰りも一緒に帰ってるでしょ?」

知っていて当然のような表情を浮かべ、そう言う篠原さんに、わたしは(よく見てるなぁ······)と感心してしまった。

「まぁ、でも、そうだよなぁ〜。雨城課長、仕事は出来るし男前だし、俺に勝ち目なんて無いか。」

そう言って、唇を噛み締める篠原さんは宙を見上げる。

――――俺に勝ち目なんて無いか。

その発言は、どういう意味なのだろう。

「うん、納得した!分かったよ!ありがとう!」

何故か一人で解決して納得した様子の篠原さんは、笑顔でわたしの肩をポンッと叩くと、「これからもよろしくね!先輩後輩として!」と言い、空き缶をゴミ箱に捨て、「じゃあ、俺は先に戻ってるね!芽吹さんは、ゆっくり飲んでから戻って来てよ!」と言って手を振り、先に戻って行ってしまった。

小休憩所に一人残されたわたしは、何が何だかよく分からないまま解決されてしまったが、さすがのわたしも何となくではあるが、篠原さんの今の発言で篠原さんの気持ちを汲み取り、受け止めておく事にしたのだった。
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