余命2ヵ月のわたしを愛した死神
それからわたしは、雨城さんと揃って退社し、帰りにはスーパーに立ち寄った。
全国展開されているが、その中でも割と小規模な小型スーパー。
入口付近に用意されているカートにグレーの籠を乗せて、それを雨城さんが押してくれ、その横をわたしが歩く。
「雫さん、今日は何が食べたいですか?」
柔らかい口調でそう言う雨城さんの言葉が、わたしの右隣で響く。
その問い掛けにわたしは、「今日はわたしが作ります。」と答え、雨城さんを見上げて微笑むと、入口のすぐ傍にある野菜コーナーで玉ねぎを手に取った。
「今日は、ハンバーグです。」
わたしが手に取った一玉の玉ねぎを雨城さんに見せながらそう言うと、雨城さんは穏やかに微笑み「雫さんのハンバーグ、楽しみです。」と言った。
「じゃあ、僕はサラダとスープを用意しますね。」
「はい、お願いします。」
そう話して、わたしたちはそれぞれが使う食材を手に取り、どれが新鮮そうか、どれが美味しそうかを話し合いながら、食材を籠の中へと入れていった。
食材を購入後にスーパーを後にしたわたしたちは、他にどこにも寄らずに真っ直ぐ帰宅する。
そして、いつものように二人でキッチンに並び、料理をするのだが、今日はわたしがメイン担当だ。
玉ねぎを微塵切りにし、それをサッと炒めてから挽き肉と合わせて混ぜるのだが、こね過ぎないのがポイント。
以前、料理番組を見た際にこね過ぎない方が出来上がった時に肉汁が出るという事を知り、わたしはそれ以来その作り方でハンバーグを作るようになったのだ。
味付けをした挽き肉を楕円型に丸めたものを二人分用意し、それをフライパンで焼いていく。
その様子を雨城さんはスープを作りながら、ずっと隣で見守っていた。
ハンバーグが焼き上がると、フライパンに残った肉汁を使い、ソースを作っていく。
そのソースの作り方は、賢司さん譲りのソースだった。
最後は、白い丸皿に盛り付けて完成。
我ながら今日はよく出来たと思う。
「美味しそうですね。僕の方もスープとサラダが出来たので、早速食べましょう。」
そう言って、雨城さんは食卓テーブルに料理を運んでくれる。
わたしは箸やコップ、飲み物を用意し、全て揃ってところで二人向かい合って食卓についた。
「それでは、」
雨城さんのひと声で、わたしたちは手を合わせ「戴きます。」と声を揃えて言った。