もう一度、好きになってもいいですか?
第三章 美咲の秘密
放課後デート?
チャイムが鳴り終わった放課後。
廊下には部活に向かう生徒たちの声があふれていた。
昇降口を出たとき——ふいに視線を奪われる。
「……碧?」
校門のところで待っていたのは、制服ではなく私服姿の碧だった。
背の高いシルエットが、夕陽に照らされて少し大人びて見える。
「あ、美咲!迎えに来たよ〜」
当たり前みたいに言うその声に、胸が跳ねる。
「わざわざ? 碧の学校、遠いのに」
「でも……美咲に会いたかったからさ」
不意打ちに、頬が一気に熱くなる。
——そのとき。
「美咲?」
背後から声がして振り返ると、心葉が立っていた。
手にはスマホを抱えている。
悠翔くんとメールでもしていたのだろう。
「わぁ……イケメン登場だね」
からかうように笑いながら、碧と私を見比べる。
「違うの、心葉! ただの幼馴染で……」
慌てて否定する私に、碧が笑みを浮かべて口を挟んだ。
「いや、俺は“ただの”つもりないけどな」
「!!」
心臓が飛び出そうになって、心葉は「わぁ!」と歓声をを出している。
「ふふ、バスケの時の男の子でしょ?
いいなぁ、美咲。なんだか青春って感じ。
……でも、ほんとに幸せになってね」
そう言って手を振り、先に帰っていった。
去っていく心葉の背中に、どこか安心と少しの切なさが混ざって見えた。
二人きりになった校門前。
碧がこちらを覗き込む。
「……やっぱり朝比奈さん、勘がいいな」
「ほんと……」
照れ隠しに笑うしかなかった。
——だけど、その帰り道。
「碧」
スマホに入った通知を見て、彼が一瞬だけ表情を曇らせた。
画面には「父さん」の文字。
背筋がぴんと張る。
「出なくていいの?」
「……後でかけ直す」
そう言って笑おうとしていたけれど、その笑顔はいつもより硬かった。
ほんの一瞬見せた影。
それが碧の抱えている“現実”なんだと、胸がざわついた。
でも、私はそっと言葉をかける。
「……大丈夫。私はここにいるから」
碧が目を見開き、それから少し照れくさそうに笑った。
「ありがとな、美咲」
その声に、胸の奥がきゅっと温かくなる。
——彼が背負っているものを、私も少しずつ知っていく。
そして、彼も私のことを知っていくのだろう。
…それが、なんだか怖くて怯えていた。
廊下には部活に向かう生徒たちの声があふれていた。
昇降口を出たとき——ふいに視線を奪われる。
「……碧?」
校門のところで待っていたのは、制服ではなく私服姿の碧だった。
背の高いシルエットが、夕陽に照らされて少し大人びて見える。
「あ、美咲!迎えに来たよ〜」
当たり前みたいに言うその声に、胸が跳ねる。
「わざわざ? 碧の学校、遠いのに」
「でも……美咲に会いたかったからさ」
不意打ちに、頬が一気に熱くなる。
——そのとき。
「美咲?」
背後から声がして振り返ると、心葉が立っていた。
手にはスマホを抱えている。
悠翔くんとメールでもしていたのだろう。
「わぁ……イケメン登場だね」
からかうように笑いながら、碧と私を見比べる。
「違うの、心葉! ただの幼馴染で……」
慌てて否定する私に、碧が笑みを浮かべて口を挟んだ。
「いや、俺は“ただの”つもりないけどな」
「!!」
心臓が飛び出そうになって、心葉は「わぁ!」と歓声をを出している。
「ふふ、バスケの時の男の子でしょ?
いいなぁ、美咲。なんだか青春って感じ。
……でも、ほんとに幸せになってね」
そう言って手を振り、先に帰っていった。
去っていく心葉の背中に、どこか安心と少しの切なさが混ざって見えた。
二人きりになった校門前。
碧がこちらを覗き込む。
「……やっぱり朝比奈さん、勘がいいな」
「ほんと……」
照れ隠しに笑うしかなかった。
——だけど、その帰り道。
「碧」
スマホに入った通知を見て、彼が一瞬だけ表情を曇らせた。
画面には「父さん」の文字。
背筋がぴんと張る。
「出なくていいの?」
「……後でかけ直す」
そう言って笑おうとしていたけれど、その笑顔はいつもより硬かった。
ほんの一瞬見せた影。
それが碧の抱えている“現実”なんだと、胸がざわついた。
でも、私はそっと言葉をかける。
「……大丈夫。私はここにいるから」
碧が目を見開き、それから少し照れくさそうに笑った。
「ありがとな、美咲」
その声に、胸の奥がきゅっと温かくなる。
——彼が背負っているものを、私も少しずつ知っていく。
そして、彼も私のことを知っていくのだろう。
…それが、なんだか怖くて怯えていた。