溺愛されるオッドアイ
「あ、そうだ……っ!」
ほどくのがダメなら、って思ったのにポケットにはスマホが入ってる感触も重みもなかった。
「スマホか。俺もない。目が覚めた時にはすでになかった。まぁ当然だろ。連絡の手段を断ち切るのは。……と言っても、勝手にいじられてるだろうけどな」
いじられてる……そうか。
Murkinessの目的は主に奏くん。
そして懸賞をかけてる──私。
「……俺らをエサに、奏先輩を呼ぶ算段だろ。俺だけならまだしも、お前まで巻き込んで悪かった。気絶したから……くそっ!」
和真くんは心底悔しそうに足で床をたたいた。
「気にしてないよ。気絶は私のせいでもあるんだから」
ペットボトルを動かした私もこの状況を作り出す要因なわけで。
和真くんだけが悪いわけではない。
──そうだ、この三畳分くらいしかない檻の中、距離がどうしてもとれない。