溺愛されるオッドアイ

細めではあるけど鉄格子。
いくら喧嘩が強くても、開きはしない。

「奏先輩たちが鍵を奪うのを待つしかないのかよ……」

そう言いながらもどうにかしようと和真くんはこじ開けようとしている。
その間にも、乱闘が始まりそうな空気にはやく合流しなければとあせりが生まれてしまう。

和真くんがこのまま力ずくで頑張り続けたら、それだけでしょうもうしてしまいかねない。

和真くんは縄をといてくれたり、私を背中に隠してくれたりしてるのに、私は……なにも出来てない。

なら──ここは、いちかばちか……やってみようか。

「和真くん、ちょっと離れててもらってもいい?」
「は?なにする気だよ、お前の腕力(わんりょく)じゃもっとむりだぞ」
「分かってる。腕力では、ね……」

まゆを寄せながらも離れてくれた和真くんにお礼を告げて、深呼吸をひとつ。
……助走とかつけられる距離はない。だから、遠心力を利用する。
< 139 / 174 >

この作品をシェア

pagetop