溺愛されるオッドアイ
「ったく……うるせぇんだよ」
奏くんはブレザーを拾い、今の瞬間まで喧嘩の真っ最中だったのにまるで何事もなかったみたいに肩へかけなおす。
──す……すごかった。
目にも止まらぬ総長の……奏くんの、本気の一撃……。
もし私がやられる側だったとしたらきっと避けられない。
この目があっても、ちゃんと見える自信はない。瞬きの間にやられる。
それだけ奏くんの一撃は速くて、強くて……かっこよかった。
Murkiness優勢かと思われていた勝負。
右腕が封印状態だった奏くんの一発逆転。
「奏、肩……」
驚きで立ちつくすも、瑚白くんのつぶやきに反応して、ゆっくりとこちらに歩いてくる奏くんのもとへ私たちはかけ寄った。
「奏ちゃん肩は!?」
「……なんともねぇ」
「奏先輩、ほんと?」
「ああ。なんのためにリハビリしてると思ってんだ。こういう時のためだろ。喧嘩すんなとは言われてねぇし、余裕だ」