溺愛されるオッドアイ

奏様っていうのは──そう莉乃が説明しようとしたところで、なんとその"奏様"が私たちの教室に入ってきた。
ぎゃっ!!と立ちながら口をおさえる莉乃。

私はその奏様に興味はないし、関係もないと思い、授業の準備をするためカバンをあさり始めた。
けれど……近づいてくる足音に違和感を覚え顔を上げれば、奏様とやらが目の前に来ていて……。
立ち止まったと同時に、さわいでいた女子たちが静まった。

「椿野和椛だな」
「……そうですけど、なにか?」

確かに、黄色い声をあげられるのも分かる。
整った顔、ツヤのある黒髪……に、紺色の瞳は猫目。
モデルと言われたら、納得するほどの容姿だ。

「放課後、ここに来い。必ずだ」

場所が書かれた付箋(ふせん)を机に()られ、何で?そう質問しようとするも、すでに奏様は背中を向け教室を出て行くところだった。
それを女子たちは追いかけていく。
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