溺愛されるオッドアイ

来れば分かるものかと思いきや、全く分からない。
廊下の端から端まで誰もいなく、片っ端からドアをたたいて行くのは気が引ける……。

それに、四階だけ異様な空間……というのか、廊下は赤いマットでしきつめられ、壁もなんか高級そうな模様が入ってる。

女子校舎にはこんな場所、ないというのに。

「……歩いてみれば、声でも聞こえてくるかな」

耳を澄ませながらゆっくりと歩き、中間地点くらいで、中から声がする部屋がひとつ。

何の教室なのか見上げても何も書いていなかった。
でも、ここで間違いなさそう……。

莉乃や他の女子たちが言っていたように、何の呼び出しなのか。
すぐに中へ入り話を済ませたいと思う反面、知らない人に何を言われるのか分からないからやはり帰ろうか……という気持ち半々で。

ノックしようとする手が、動かない。
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