溺愛されるオッドアイ
「っ……!」
なぜかゆがめられた顔と止まった腕。
後ろからバタバタと走ってくる足音がするけれど、和真くんたちが間に合うわけがない。
奏くんは腕が上げられなかったせいか、下ろされるバットに背中を向けて私をかばってくれようとする。
でも大丈夫。
私には"この目"があるんだから──
時がゆっくり回る今なら……とめられる。
腕では射程が短く力が弱いと思い、私は足を出した。
奏くんだけへと振り下ろされてくるバットを受け止めるために。
「おらぁ!!」
「っ!!」
いくらローファーを履いてても、足の裏から伝わる威力に私は顔をゆがめる。
それはそうだ、上から力任せに振り下ろされてきたのは金属バット。
ジーンと痛みが足の裏から上がるように伝わってくる。
「なに!?」
「……ざんねんでし、った!!」
痛くとも受け止めたバットに笑みを見せ、思いきり押し返してやれば、和真くんと新くんが同時に男の子を蹴り飛ばし、バットは宙を舞って落ちていった。