ベッドの隣は、昨日と違う人
43話 二次会の終わりに
二次会の最後、マイクを通した新郎新婦の声が会場に響いた。
「今日はわたしと美咲のためにお越しくださって、ありがとうございました。
新居にも、ぜひ遊びにきてください」
軽やかな笑顔と一緒に、グラスが掲げられる。
あちこちから指笛と拍手が起こった。
「今日は本当にありがとうございました。
こんなにたくさんの友達に集まってもらえて……
改めて、幸せだなって思いました」
美咲は少し照れたように笑い、陽貴の肩にそっと手を置く。
「これからも、どうぞよろしくお願いします」
拍手がもう一度、大きく会場を包んだ。
司会の声が続く。
「それでは、新郎新婦のお見送りがあります。
ご準備できた方から、出口へお進みください」
ざわざわと椅子が引かれ、ゲストが少しずつ立ち上がる。
プチギフトの入った小さな袋を手に、列ができていく。
みいなと大地も並びながら、なんとなく顔を見合わせた。
「……あっという間だったね」
「だな」
短い返事なのに、声がやけにやわらかい。
順番が近づくにつれて、みいなの胸は少しだけそわそわしていた。
今日一日が、ちゃんと終わる気がしなくて。
ふたりの番が来る。
「美咲!」
呼ぶと、美咲がぱっと表情を明るくした。
「みいな!
大地くんも、今日は本当にありがとう。
温泉旅行、楽しんできてね!」
「……ありがとう」
みいなは少し照れたように笑う。
その瞬間、美咲が一歩近づいて、みいなの耳元に顔を寄せた。
(頑張れ、みいな)
小さく囁かれて、みいなは一瞬だけ目を見開く。
「……うん」
返事は声にならなかったけれど、美咲には伝わったみたいで、満足そうに笑った。
「じゃあ、これ」
手渡されたのは、可愛くラッピングされたクッキー。
「またクリニックでね」
「うん。ほんとに、おめでとう」
大地も隣で軽く頭を下げる。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ。来てくれて嬉しかったです」
ふたりは並んで、もう一度小さく会釈をしてから、会場の外へ出た。
扉が閉まると、少しだけ静かになる。
夜の空気が、ひんやりと頬に触れた。
「……終わったな」
大地がそう言って、息をつく。
「うん」
みいなも頷きながら、手に持ったプチギフトの袋を見つめた。
さっきまでのにぎやかさが嘘みたいに、外は落ち着いていて。
その分、隣にいる大地の存在が、妙にはっきり感じられた。
(ちゃんと、前に進んでる)
理由はわからないけど、そう思えた。
みいなはそっと、歩くスピードを大地に合わせた。
二人並んで、夜の道を歩き出す。
まだ何も言葉にはならないけれど――
今日という一日は、確かに何かを終わらせて、何かを始めていた。
―――
📖第五章終了です!
お読みいただきありがとうございました。
二次会が終了。
拓也との遭遇、大地と温泉へ?
ついにこの二次会でみいなを取り巻く人が運命と偶然に乗って動き出しました。
引き続きお楽しみください。
レビュー、感想、ファン登録、いいね、しおりで
応援よろしくお願いいたします♡
二次会の最後、マイクを通した新郎新婦の声が会場に響いた。
「今日はわたしと美咲のためにお越しくださって、ありがとうございました。
新居にも、ぜひ遊びにきてください」
軽やかな笑顔と一緒に、グラスが掲げられる。
あちこちから指笛と拍手が起こった。
「今日は本当にありがとうございました。
こんなにたくさんの友達に集まってもらえて……
改めて、幸せだなって思いました」
美咲は少し照れたように笑い、陽貴の肩にそっと手を置く。
「これからも、どうぞよろしくお願いします」
拍手がもう一度、大きく会場を包んだ。
司会の声が続く。
「それでは、新郎新婦のお見送りがあります。
ご準備できた方から、出口へお進みください」
ざわざわと椅子が引かれ、ゲストが少しずつ立ち上がる。
プチギフトの入った小さな袋を手に、列ができていく。
みいなと大地も並びながら、なんとなく顔を見合わせた。
「……あっという間だったね」
「だな」
短い返事なのに、声がやけにやわらかい。
順番が近づくにつれて、みいなの胸は少しだけそわそわしていた。
今日一日が、ちゃんと終わる気がしなくて。
ふたりの番が来る。
「美咲!」
呼ぶと、美咲がぱっと表情を明るくした。
「みいな!
大地くんも、今日は本当にありがとう。
温泉旅行、楽しんできてね!」
「……ありがとう」
みいなは少し照れたように笑う。
その瞬間、美咲が一歩近づいて、みいなの耳元に顔を寄せた。
(頑張れ、みいな)
小さく囁かれて、みいなは一瞬だけ目を見開く。
「……うん」
返事は声にならなかったけれど、美咲には伝わったみたいで、満足そうに笑った。
「じゃあ、これ」
手渡されたのは、可愛くラッピングされたクッキー。
「またクリニックでね」
「うん。ほんとに、おめでとう」
大地も隣で軽く頭を下げる。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ。来てくれて嬉しかったです」
ふたりは並んで、もう一度小さく会釈をしてから、会場の外へ出た。
扉が閉まると、少しだけ静かになる。
夜の空気が、ひんやりと頬に触れた。
「……終わったな」
大地がそう言って、息をつく。
「うん」
みいなも頷きながら、手に持ったプチギフトの袋を見つめた。
さっきまでのにぎやかさが嘘みたいに、外は落ち着いていて。
その分、隣にいる大地の存在が、妙にはっきり感じられた。
(ちゃんと、前に進んでる)
理由はわからないけど、そう思えた。
みいなはそっと、歩くスピードを大地に合わせた。
二人並んで、夜の道を歩き出す。
まだ何も言葉にはならないけれど――
今日という一日は、確かに何かを終わらせて、何かを始めていた。
―――
📖第五章終了です!
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二次会が終了。
拓也との遭遇、大地と温泉へ?
ついにこの二次会でみいなを取り巻く人が運命と偶然に乗って動き出しました。
引き続きお楽しみください。
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