ベッドの隣は、昨日と違う人
みいなの目撃
平日の夜。
大地と待ち合わせて、予約していたお店に向かう途中だった。
……あ。
視界の端で、男性と腕を組んで笑う女がいた。
満面の笑み。
見覚えがある。
あの時、
「拓也の彼女です♡」って名乗った人。
胸の奥が、ほんの一瞬だけ、きゅっと縮む。
「……あ」
声が漏れて、大地もそちらを見る。
「あ、今のって……」
「うん」
わたしは一拍置いて、言った。
「行こ?大地」
「……おう」
歩き出してから、
さっきの光景が、遅れて浮かぶ。
――彼女、って。
こないだ、そう言ってたのに。
でも、不思議と心はざわつかなかった。
確かめたいとも、戻りたいとも思わなかった。
「大地、今日のごはん、楽しみだねー!」
少し弾んだ声で言うと、
「予約、やっと取れたもんな」
横で、大地が笑う。
そのまま自然に、手が触れて、
当たり前みたいにつながった。
「うん、ありがとね。大地」
そう言うと、大地は一瞬だけ照れたように視線を逸らして、
「……俺のほうこそ」
短く、そう返した。
夜の街はやさしくて、
ふたりの歩幅は、ぴたりと揃っている。
もう、振り返る理由はなかった。
今、隣にいる人の温度が、ちゃんとあるから。
ふたりはそのまま、
未来の話をしながら、店の灯りへと向かっていった。
~みいなside~
終
*
それぞれの独白をお読みいただき、
ありがとうございました。
本編を気持ちよく読み終えたあとに独白。
「……こわっ」と感じさせてしまっていたら、ごめんなさい。
特に、拓也の彼女・あゆみ。
この二人はきっと、この先、簡単には抜け出せない関係になっていくんだろうな、と書きながら思っていました。
だからこそ、この独白は本編が完結した“あと”に入れさせていただきました。
もしよかったら、
読んでどう感じたか、感想など聞かせてもらえると嬉しいです。
そして、今度こそ最後の締めの物語。
温泉旅行のあとのふたりのアフターストーリーをお届けいたします。
みいな、大地、美咲。
完結後のストーリーをお楽しみください。
平日の夜。
大地と待ち合わせて、予約していたお店に向かう途中だった。
……あ。
視界の端で、男性と腕を組んで笑う女がいた。
満面の笑み。
見覚えがある。
あの時、
「拓也の彼女です♡」って名乗った人。
胸の奥が、ほんの一瞬だけ、きゅっと縮む。
「……あ」
声が漏れて、大地もそちらを見る。
「あ、今のって……」
「うん」
わたしは一拍置いて、言った。
「行こ?大地」
「……おう」
歩き出してから、
さっきの光景が、遅れて浮かぶ。
――彼女、って。
こないだ、そう言ってたのに。
でも、不思議と心はざわつかなかった。
確かめたいとも、戻りたいとも思わなかった。
「大地、今日のごはん、楽しみだねー!」
少し弾んだ声で言うと、
「予約、やっと取れたもんな」
横で、大地が笑う。
そのまま自然に、手が触れて、
当たり前みたいにつながった。
「うん、ありがとね。大地」
そう言うと、大地は一瞬だけ照れたように視線を逸らして、
「……俺のほうこそ」
短く、そう返した。
夜の街はやさしくて、
ふたりの歩幅は、ぴたりと揃っている。
もう、振り返る理由はなかった。
今、隣にいる人の温度が、ちゃんとあるから。
ふたりはそのまま、
未来の話をしながら、店の灯りへと向かっていった。
~みいなside~
終
*
それぞれの独白をお読みいただき、
ありがとうございました。
本編を気持ちよく読み終えたあとに独白。
「……こわっ」と感じさせてしまっていたら、ごめんなさい。
特に、拓也の彼女・あゆみ。
この二人はきっと、この先、簡単には抜け出せない関係になっていくんだろうな、と書きながら思っていました。
だからこそ、この独白は本編が完結した“あと”に入れさせていただきました。
もしよかったら、
読んでどう感じたか、感想など聞かせてもらえると嬉しいです。
そして、今度こそ最後の締めの物語。
温泉旅行のあとのふたりのアフターストーリーをお届けいたします。
みいな、大地、美咲。
完結後のストーリーをお楽しみください。