君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
澄んだ声が晴菜の耳朶を打つ。視線を上げた晴菜は、思わず動きを止めた。
淡い桜色のドレスに身を包んだ女性が、そこにいた。その耳元には繊細なパールが控えめに主張している。
どこか見覚えのある目元をしていた。けれど目の前の彼女の瞳は柔らかいもので、晴菜は一瞬、戸惑いを覚える。
「はい。お好みはございますか。アルコールの強さや香りなど」
「強すぎないものだと助かります。あまりお酒は嗜んでこなかったので」
彼女は困ったように眉を下げながらゆるりと微笑んだ。その動作に合わせて、柔らかなシフォン素材のストールが揺れている。
「承知しました。少々お待ちください」
「お願いします」
晴菜がそう声を返すと、彼女は晴菜の左胸で鈍く光る真鍮の名札に視線を落とした。そこに刻まれた文字をなぞるように、じっと見つめている。
「苗字……きぬがさ、と読むの?」
彼女の問いに、一瞬、指先が止まった。それでも晴菜は、何事もなかったかのようにボトルを手に取る。
「はい。珍しい名字だとよく言われます」
「そう。たまにお世話になる京都の呉服屋さんも、衣笠さんと仰るの」
「え……」
淡い桜色のドレスに身を包んだ女性が、そこにいた。その耳元には繊細なパールが控えめに主張している。
どこか見覚えのある目元をしていた。けれど目の前の彼女の瞳は柔らかいもので、晴菜は一瞬、戸惑いを覚える。
「はい。お好みはございますか。アルコールの強さや香りなど」
「強すぎないものだと助かります。あまりお酒は嗜んでこなかったので」
彼女は困ったように眉を下げながらゆるりと微笑んだ。その動作に合わせて、柔らかなシフォン素材のストールが揺れている。
「承知しました。少々お待ちください」
「お願いします」
晴菜がそう声を返すと、彼女は晴菜の左胸で鈍く光る真鍮の名札に視線を落とした。そこに刻まれた文字をなぞるように、じっと見つめている。
「苗字……きぬがさ、と読むの?」
彼女の問いに、一瞬、指先が止まった。それでも晴菜は、何事もなかったかのようにボトルを手に取る。
「はい。珍しい名字だとよく言われます」
「そう。たまにお世話になる京都の呉服屋さんも、衣笠さんと仰るの」
「え……」