君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
――時東……穂乃果。
柔らかな黒髪はゆるくアップにセットされ、顔の横の残り毛が大きく柔らかに巻かれている。照明を受けて淡く艶めくその髪が、彼女の高貴さをより引き立てているように感じられた。
遠くで誰かの笑い声が弾ける。グラスが触れ合う乾いた音と談笑が絶え間なく続いているはずなのに、このカウンターの内側だけ、まるで真空になったかのように音が薄かった。
世界が切り取られたその中心に、自分と彼女だけが立たされている――そんな錯覚に、晴菜は一瞬、視界が揺らぐのを感じた。
硬直した晴菜の様子を見遣った彼女は、少しだけ困ったように眉を下げて微笑んだ。その笑みには麗奈とは違い、敵意も優越も感じられなかった。
「お仕事中にごめんなさい。私も今、対外的に大きく動けるわけじゃないの。今夜はおじい様も一緒に来てるから。お酒、作りながら話してくれる?」
会場の喧騒が波のように寄せては返す。それでも、このカウンターを挟んだ数十センチの距離だけが、冬の月夜のように静まり返っていた。
柔らかな黒髪はゆるくアップにセットされ、顔の横の残り毛が大きく柔らかに巻かれている。照明を受けて淡く艶めくその髪が、彼女の高貴さをより引き立てているように感じられた。
遠くで誰かの笑い声が弾ける。グラスが触れ合う乾いた音と談笑が絶え間なく続いているはずなのに、このカウンターの内側だけ、まるで真空になったかのように音が薄かった。
世界が切り取られたその中心に、自分と彼女だけが立たされている――そんな錯覚に、晴菜は一瞬、視界が揺らぐのを感じた。
硬直した晴菜の様子を見遣った彼女は、少しだけ困ったように眉を下げて微笑んだ。その笑みには麗奈とは違い、敵意も優越も感じられなかった。
「お仕事中にごめんなさい。私も今、対外的に大きく動けるわけじゃないの。今夜はおじい様も一緒に来てるから。お酒、作りながら話してくれる?」
会場の喧騒が波のように寄せては返す。それでも、このカウンターを挟んだ数十センチの距離だけが、冬の月夜のように静まり返っていた。