【完】君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
「ご無沙汰してます。父は、もう自分は隠居の身だからと……今日はお時間をいただいて、ありがとうございます」
隆之が立ち上がり、形式的に応じる。その言葉に軽く会釈をした麗奈は隆之の正面に腰を下ろした。
穂乃果は静かに晴菜へ会釈をする。彼女の視線が晴菜に触れた瞬間、わずかに目元が和らいだ。そしてそのまま、奏汰の正面へと座る。
稔は穂乃果の隣に腰を下ろしたが、どこか疲れたような表情だった。今回の件、限定酒の販売戦略に関わる話でもあるため、稔も招集されたと聞く。完全に巻き込まれ事故のような形だと奏汰から聞き及んでいたが、倦怠感を隠そうともしないあたり、どうやらその通りのようだ。
仲居が手際よく前菜を配膳し始める。表面だけを炙った鱧の焼き霜、涼やかなガラス鉢の酢の物。器が膳に置かれるたび、コトリとかすかな音が響いていく。
前菜の器が全員に行き渡り、仲居が一礼して下がる。再び訪れた静寂は、先ほどよりも濃密だった。
「京都は何度来ても勉強になりますわね」
麗奈が箸袋に手を伸ばしながら口を開いた。どこか含みのある声色だった。
「伝統と格式を、どう今に繋げるか……そう思いませんこと? 隆之」
隆之が立ち上がり、形式的に応じる。その言葉に軽く会釈をした麗奈は隆之の正面に腰を下ろした。
穂乃果は静かに晴菜へ会釈をする。彼女の視線が晴菜に触れた瞬間、わずかに目元が和らいだ。そしてそのまま、奏汰の正面へと座る。
稔は穂乃果の隣に腰を下ろしたが、どこか疲れたような表情だった。今回の件、限定酒の販売戦略に関わる話でもあるため、稔も招集されたと聞く。完全に巻き込まれ事故のような形だと奏汰から聞き及んでいたが、倦怠感を隠そうともしないあたり、どうやらその通りのようだ。
仲居が手際よく前菜を配膳し始める。表面だけを炙った鱧の焼き霜、涼やかなガラス鉢の酢の物。器が膳に置かれるたび、コトリとかすかな音が響いていく。
前菜の器が全員に行き渡り、仲居が一礼して下がる。再び訪れた静寂は、先ほどよりも濃密だった。
「京都は何度来ても勉強になりますわね」
麗奈が箸袋に手を伸ばしながら口を開いた。どこか含みのある声色だった。
「伝統と格式を、どう今に繋げるか……そう思いませんこと? 隆之」