【完】君を酔わせるまで離さない〜ワンナイトのはずが絶倫すぎる俺様副社長に本気で囲われています〜
本当に仕事をしているのか疑いたくなるほどの周到さだ。そこには副社長の顔はどこにもなく、ただ父親になる男の、不器用で真剣なまなざしだけがあった。
晴菜は苦笑しながらも、奏汰がかけてくれた上着が落ちていかないよう、膝の上の上着に手を伸ばした。
「ありがたいけど、過保護すぎ」
「今だけ特別だ」
「そんな顔、蔵の人たちに見せたら驚かれるよ。副社長がこんなにそわそわしてるなんて」
「してねぇ」
憮然とした面持ちのまま奏汰は即答するが、膝の上で組んだ指がわずかに落ち着きなく動いていた。晴菜はくすりと笑って肩を竦めた。
「昨日も三回、ネットの記事読み返してたもんね」
「あれは確認だ。平均的な心拍確認は妊娠六~七週。今日確認できたら母子手帳がもらえるし、採血もたくさんある」
「ふふ、やっぱりそわそわしてる」
晴菜がくすりと笑いながらからかうと、奏汰は少しだけ決まり悪そうに視線を泳がせた。
「……未知のリスクは洗い出しておきたい性分なんだ。酒なら温度も糖度も管理できる。だがこれは、そうはいかない」
その声音は、蔵で聞く指示とは違って、少しだけ低く、柔らかいものだった。
晴菜は苦笑しながらも、奏汰がかけてくれた上着が落ちていかないよう、膝の上の上着に手を伸ばした。
「ありがたいけど、過保護すぎ」
「今だけ特別だ」
「そんな顔、蔵の人たちに見せたら驚かれるよ。副社長がこんなにそわそわしてるなんて」
「してねぇ」
憮然とした面持ちのまま奏汰は即答するが、膝の上で組んだ指がわずかに落ち着きなく動いていた。晴菜はくすりと笑って肩を竦めた。
「昨日も三回、ネットの記事読み返してたもんね」
「あれは確認だ。平均的な心拍確認は妊娠六~七週。今日確認できたら母子手帳がもらえるし、採血もたくさんある」
「ふふ、やっぱりそわそわしてる」
晴菜がくすりと笑いながらからかうと、奏汰は少しだけ決まり悪そうに視線を泳がせた。
「……未知のリスクは洗い出しておきたい性分なんだ。酒なら温度も糖度も管理できる。だがこれは、そうはいかない」
その声音は、蔵で聞く指示とは違って、少しだけ低く、柔らかいものだった。