狼少年

桂のあの一言は、私にとてつもない衝撃を与えた。

そっか。もう高校生だし、そういうのにも芽生えてる年ごろなのか…。

ちらりと横を盗み見る。ちなみに今は数学の授業中。

少し襟足が長い猫っ毛の黒髪。

無気力猫背の長身。

イヤホンをつけたまま隣で爆睡するコイツ。

「…そんなこっち見んなよ。照れんだろ。」

目をうっすら開けて呟いた桂に、少しいらだちを覚えながらも、無言で目をそらしてやった。

「で、あるからして此処はこの公式を…」

つまらない数学の授業は続く。
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