【完結&番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

デート

──土曜日

その日は勇凛くんと駅で待ち合わせた。

デートみたいなものだから、いつもより少しおしゃれして、勇凛くんと並んでも違和感がないように可愛めの服を着た。

待ち合わせの時間を少しすぎた後、勇凛くんが走ってきた。

全速力。

「すみません!」

「大丈夫だよ」

「こっちに来る途中、お婆さんが転んでるのを見てしまって、目的地まで付き添ってました……」

や、優しい……!

勇凛くん好青年すぎる!

「勇凛くんが来てくれてお婆さん助かったね」

「はい……七海さん待たせてしまいましたが。じゃあ行きましょう」

「うん!」

今日勇凛くんと行くのは、私がよく一人で言ってた海だ。

穏やかな波と静けさが私を癒してくれていた。

電車で三十分くらい。

だんだんと海が見えてくる。

最寄駅で降りると潮の香りがする。

冬だから肌寒い。

そして勇凛くんを導く。

私の見つけた穴場スポット。

海が一望できる木陰。

「いいですね、ここ」

「うん。心が落ち着くんだ」

二人で静かに海を眺めていた。

──でも

寒い……。

「やっぱもっと暖かい時に来た方がいいね……」

風邪を引いてしまう。

その時、勇凛くんに包まれた。

「どうですか?」

勇凛くんの温もりで一気に熱くなった。

瞬間湯沸かし器状態。

「ありがとう……」

これが、カップルというやつなんだな。

こんなデートらしいことをしたことがないし、こういうカップルを横目に羨ましいと思っていた。

「七海さん、今日可愛いです」

心臓がおかしくなる!

「ありがとう、そう言ってもらえると嬉しい」

顔を覗き込まれて、キスをした。

ああ、ずっと続いてほしい。この時間が。
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